2012年11月20日

ダークサイドの誘惑

キツネキツネ
マーガレット・ワイルド文
ロン・ブルックス絵

BL出版 2001-10

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久々に、重い本。
いや、久々どころか、今までこのブログで採り上げた作品の中でダントツのヘヴィーさ。
読む者の心の闇をのぞき見されるような、美しくも恐ろしい絵本でもある。

最初に読んだ時の衝撃を今でも忘れられない。
まずは絵に一目惚れ。
一頁毎にうっとりして、どきどきワクワクしながら読み進み、
まさかというかやはりというか、衝撃的ではあるがヒタヒタと予感があった展開に
心を鷲掴みされる感覚を味わった。
滅多に味わうことのない感覚だけに、怒濤のように溢れる言葉に出来ない想いに戸惑った。

それ以来、大好きで大好きで宝物のように思っていた絵本だけれど、
なかなか人に勧めることはできなかった。
まして子どもに読み聞かせるなんてことは思いも付かなかった。
人知れず傷ついた心を抱えている人や、柔らかく無防備な心を持つ小さな人たちが読むには、
なんだか要注意な絵本のような気がして、安易に紹介できなかった。

それでもいつかこの絵本をオトナノトモで採り上げる時には、
私にとって何よりも印象的だった、カササギの心の動きに焦点を当てるつもりでいた。

それぞれに傷を持つ弱い者同士・・イヌとカササギが平和に依存し合っていたところへ、
突如現れた闖入者、キツネ。
凄まじい画力でビシビシと伝わってくるキツネの奥底に秘めた憎しみや嫉妬は恐ろしかったが、
同時にその吸い込まれるような瞳の美しさに心惹かれずにはいられなかった。

カササギは、一目見たときからキツネを恐れていた。
怖い。近づいてはならない危険な存在だと、本能が告げている。
何より、警鐘を鳴らす本能に逆らうように、どこかでキツネに惹かれている自分が怖い。
そんなカササギの動揺を見透かしたように、キツネは容赦なく獲物を追い詰めていく。
そしてとうとう、カササギはキツネの誘惑に抗しきれず、大切なイヌを裏切ってしまうのだ。

だがそんなカササギを、果たして私は責められるだろうか。
なんてバカな奴だ、裏切り者め!とつぶやいたその気持ちの裏に、
どこか一抹の後ろめたさを感じはしまいか。
悲劇の予感に怯えつつも、見果てぬ夢にその身を賭けてしまったカササギの愚かさに、
共感してしまう気持ちがひとしずくもないと、私は言いきれるのだろうか。

ダークサイドの甘美な囁きに、ついに堕ちてしまったカササギ。
刹那の快感に酔いしれた後に待っていたのは、勝ち誇った悪魔の非情な仕打ち。
一瞬前の夢のような高揚感を一気に地へと叩き落とす、見事な暗転である。
自業自得と言い切るにはあまりに残酷なその展開に、
まるで自分が冷や水を浴びせられたように呆然としてしまったのは、私だけだろうか。

さて、いつもならここからさらに思いこみ激しくあーだこーだと書き連ねるのだが、
この絵本に関し、今の私に語れるのはこれが精一杯だ。
何故なら、今の私はまさに、かつて自分でうすうす危惧した通りに、
あまりこの絵本をじっくり堪能するに相応しくない精神状態なのである。
例えばそれは、容赦なく押し寄せる日々の現実に少々疲れてしまった平凡な主婦が、
それをつかの間忘れさせてくれる何か、いや誰かの出現を、
半ば恐れつつ、半ば期待しているような心持ち・・・
と言ったら、その危うさをお察しいただけるだろうか。


この先、今よりもっと心穏やかに過ごせる時がきたら、
私はこのエントリーを丸々書き直して、全く違うことを書くかもしれない。
でもそれまでは、
この絵本のエンディングに描かれた一縷の希望に号泣する日が来ないことを祈りつつ、
危うい平和を保った貴重な日々をよろめきながら歩き続けることだろう。

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posted by えほんうるふ at 20:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月17日

その愛の先にあるもの

あくたれラルフあくたれラルフ
ジャック・ガントス作 ニコール・ルーベル絵
いしい ももこ訳

童話館出版 1995-01

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時々、ネットの掲示板などで
「こんな彼氏とは別れた方がいいでしょうか・・?」という相談を見かける。
詳しい内容を読むと、相手の男はきまって金や女にだらしなかったり、
高確率で兼ね備える要素がモラハラだのDVだのストーカーじみた束縛だの、
別れる別れないを悩む以前に「いったいこの男のどこが良いんだ?」と思えてならない
どうしようもないダメンズだったりする。
当然ながら、相談者に対する読者からのコメントは一様に「別れろ」であり、
そのまま「そもそもどこがいいんだ?」といった疑問を投げかける人も少なくない。

そしてまた、これに対する相談者の返答がまた、一様に
「でもいいところもある」「でもやさしい人なんです」と相手の男を庇うのである。
「○○の問題さえなければ、とてもいい人なんです」というのもよくあるパターン。
たとえその○○が人の道を外れることだとしても、その矛盾に彼女は気付かない。
そして、どんなに親身なアドバイスをもらっても、結局なかなか別れない。

私は冷たい人なので、こういうイバラの道が趣味の女性は、
好きなだけ悲劇のヒロインになりきって浸っていただき、
気が済むまでとことん地獄を味わえばいいんじゃないかと思う。
(ただし、その女性に子どもがいる場合は、共依存の親の下で育つ面倒を知っているだけに、
ダメモトで全力で別れをお勧めするが・・。)

その一方で私は、ダメンズを愛して自らボロボロになっていく女性たちの、
「愛こそが人生」とでもいうような、愛と情に流されまくりの生き様に
一種の憧れが捨てきれずにいる。
つい浮かんでくる、
「ここまで人を愛する才能のある者だけが到達できる、凄まじく甘美な世界があるのでは?!」
といったしょーもない妄想は、この歳になっても、いや、年を重ねるほどに止まらない。


てなわけで、今日の絵本は「だめんずラルフ」もとい「あくたれラルフ」。
不惑の私の妄想を募らせる、地味にヤバイ絵本である。

主人公のラルフは、飼い主のセイラに溺愛されている飼い猫である。
人のペットの趣味に文句を付ける気はないが、セイラの趣味は相当変わっている。
そもそも彼女の愛猫ラルフは見た目からして全然可愛くない。

最近「ブス可愛い」という表現がペットや女性アイドルに用いられることがあるが、
「ブス可愛いさ」を売りにする場合、やはり「見た目の残念感を凌駕する可愛げ」
という要素が不可欠であるように思える。
ところがこちらのラルフの場合、見た目以上に行動に難がありすぎで、
ベストオブ可愛げのない猫絵本というランキングがあれば、間違いなく一位になれそうだ。

そんなラルフのひどい悪戯に日々振り回される憐れなセイラ。
どんなにひどい目にあってもラルフを許し愛し続けるセイラはまさしく天使のようだが、
実は私はこの絵本を読む度に、ラルフよりセイラの懲りない言動にイラッとしてしまう。
「お前がそーやって甘やかすからこのバカ猫は平気で他人に迷惑かけ続けるんだろーが!」
と大人げなく絵本にツッコミをいれてしまったことも一度や二度ではない。

ところが後半、ラルフはセイラと離ればなれになって痛い目に遭うのである。
この絵本を初めて読んだ小学生の頃から、このラルフの転落シーンをちょっと憐れに思う反面、
密かに胸のすくような思いに心を躍らせていた腹黒い子どもだった私は、
後に「カタルシス」という言葉を知ったとき、真っ先にこの絵本のことを思い出したのだった。

そしてラストで再び私はイラッとさせられる。
ここで屈託無くクスッと笑える人は、きっと素晴らしく人間が出来ているか、
愛情深い家庭で人を信じる気持ちを健全に育んでもらった人なのだろうと想像している。

ちなみに私は「だからオメーはよー!!」と、ここでももれなく心の中で毒づくのである。

にも関わらず、私がこの絵本と未だ訣別できない理由はやはり、
それでもラルフへの愛が揺らがないセイラの強さと、その先にあるはずの
強い絆で結ばれた至上の愛の世界に憧れる気持ちが捨てきれずにいるからに違いない。

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posted by えほんうるふ at 14:52 | Comment(3) | TrackBack(0) | 危なっかしい絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月24日

シワが増えませんように

おこだでませんようにおこだでませんように
くすのき しげのり・作 石井 聖岳・絵

小学館 2008-06

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この絵本のレビューを書くにあたり、どのカテゴリーにいれようかはたと迷った。
「大事なことを教わる絵本」なのは確かだろう。
でも、この絵本が説く「大事なこと」は、おそらく子を愛する母親ならば誰でも、
わざわざ教わるまでもなく本能的に知っていることだ。
分かっているのになかなか実践できないからこそ、親も子も苦しいのだ。

ということは、「切ない絵本」か?
いやいや、切ながってる場合でもない。そんな感傷にいちいち浸っているようでは、
それこそ待った無しの日々の育児が成り立たない。

それではやはりアレか。「泣ける絵本」か。
号泣絵本は?と聞かれてこの絵本を挙げる人も少なくないらしい。
確かに泣こうと思えば泣ける。
いや、泣こうと思わなくても、日頃ある種の子どもと接する機会があり、
ツボに入るシチュエーションに縁があるなら、タイミング次第で号泣必至だと思う。

だがしかし。
絵本のオトナ読みを提唱する私の中の要らぬプライドが、
この作品を「泣ける絵本」認定することをどこかで拒んでいる。
その理由はズバリ、ベタすぎるの一言に尽きる。
書き出しといい、展開といい、クライマックスの間といい、絶妙にたどたどしい決め台詞といい
とにかく演出が上手すぎるのだ。
そして、ダメ押しのごとく壁に貼られた満面の笑みの「おかあさん」の絵。
これはいけません(笑)。もうね、反則です、反則!

そもそも最初に私がこの絵本を読んだときの感想は「け。」だった。
天の邪鬼な性格が祟って、明らかに読み手を泣かせにかかっていると感じてしまうと、
何か鼻白んでしまって、妙に冷静になってしまい泣けないのだ。
(ちなみに絵本のように視覚依存の大きい紙媒体であれば、私もかなり強気でいられるが、
これが視覚と聴覚のダブル攻撃をされる映像作品なんかだと割とあっけなく落ちる。)

だから、過去ログに書いた通り、私は「大人による大人のための絵本」が苦手なんである。
私にとってこの「おこだでませんように」は、長らくまさにそう言う範疇の作品だった。
ところが先日、たまたま小学校の読み聞かせで手持ちの本が足りず、
小学5年生にこの絵本を読んで紹介したところ、
いつも落ち着き無く騒いでいる男子達がじわじわと食い入るように話にのってきた。
ヤンチャ坊主が多いクラスだったので、人ごとではなかったのだろうか。
ラストの数頁を読んでいる時にチラ見した、彼らのニヤニヤと嬉しそうな表情が忘れられず、
私も認識を大いに改め、大人絵本会のお題にまでとりあげたという訳である。


話を戻そう。
そんなこんなで結局この作品にピッタリはまるカテゴリーが見つからず、
私はこの絵本の為に「身につまされる絵本」というカテゴリーを新設した。
この先、他にもこのカテゴリーにピッタリな絵本との出会いがあるかと思うと
嬉しいような嬉しくないような、複雑な気持ちになるが・・・。


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posted by えほんうるふ at 02:57 | Comment(2) | TrackBack(0) | 身につまされる絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月08日

私が愛した飴細工

IMG_5921.jpg
あめぴょんは千駄木にある飴細工屋「飴細工吉原」の公式マスコットキャラクターだった。
本家HPでのプロフィールは既に削除されてしまったので、「ご当地キャラカタログ」より
あめぴょんのプロフィール(これもいつまで表示されるか分からないが…)

私はたまたまツイッターのタイムラインを眺めていてこの存在を知ったのだけれど、
愛らしい見た目に似合わぬツイッターでの毒舌とオタ臭丸出しの変態キャラが面白くて
一目見てファンになり毎日のようにその呟きを眺めていた。
実際にお店に行き、作ってもらったあめぴょんは今でも冷蔵庫で大事に保管している。

あめぴょんの専属事務所(?)であった飴細工吉原は日本で(つまり世界で)唯一の
飴細工店という存在の希少性もあって、2008年の開業以来じわじわと人気を集め、
谷根千コミュニティ誌や雑誌等をはじめ、民放の情報番組やNHKにも度々登場している。
もちろんお店は有名になり、飴屋らしくホワイトデーなどにはかなりの混雑ぶりだったと聞く。
ツイッターでのカルト人気がどう影響したのかは分からないが、
知る人ぞ知るご当地ゆるキャラとしてあめぴょんの認知度も高まっていたはずだ。

そんな矢先、あめぴょんが突然ツイッターでこんな告知をした。

【重要告知でス】『あめぴょんは中の人の変更によって設定・話し方(でス)などが変わり外見以外が一新されTwitter,blogなども終了致します。続きを読む
posted by えほんうるふ at 17:21 | Comment(5) | TrackBack(0) | 日々のつぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月27日

究極の選択

ねえ、どれがいい? (評論社の児童図書館・絵本の部屋)ねえ、どれがいい? (評論社の児童図書館・絵本の部屋)
ジョン・バーニンガム作 まつかわ まゆみ訳

評論社 2010-02

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人はその生涯で何回ぐらい究極の選択を迫られるのだろうか。
いや、実際に究極の選択というドラマを我が身で経験できる人がどれほどいるのだろうか。

かくいう私も、恐らくとっくに人生折り返し地点を通過しているはずだろうに、
未だかつてそのような重大な選択にリアルに頭を悩ませた覚えがないのだ。続きを読む
posted by えほんうるふ at 02:02 | Comment(0) | TrackBack(1) | 危なっかしい絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月20日

ほんとうに母親はいいものかしら

手ぶくろを買いに (日本の童話名作選)手ぶくろを買いに (日本の童話名作選)
新美 南吉・作 黒井 健・絵

偕成社 1988-03

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ああ、もうタイトルで言い尽くしたようなものだが・・・。
実際、母親ってのは恐ろしいもんです。
自分でやってて思う。母ちゃん、マジこえぇー!!と。

なにしろ、「産んだ強み」というのは何者にも敵わない。
エライ人が言う、「子どもは親の所有物ではありません。個人として人格を認めましょう」
そんなのは当たり前だ。
でも、いくらそれを頭で理解したところで、母の子宮はちゃんと覚えているのだ。
産んだのはこの私だと。一時的とはいえ、子の生殺与奪を支配していたのは自分だと。

私自身がそのことをシビアに実感したのは10年ほど前、
詩人の伊藤比呂美氏のあるエッセイを読んだ時のことだ。続きを読む
posted by えほんうるふ at 21:18 | Comment(5) | TrackBack(0) | 切ない絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月31日

怠け者は休めない

きちょうめんななまけものきちょうめんななまけもの
ねじめ 正一 詩
村上 康成 絵

教育画劇 2008-05

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今さら言うまでもないが、私は怠惰な人間である。
案の定、気がつけば今年ももう1ヶ月が過ぎようとしている。
ブログでの年始の挨拶すらしそびれてしまった。
ああごめんなさいごめんなさい!
こんな私で良かったら今年も仲良くしてやってくださいな。

決して胸を張って言えるようなことではないが、一応自覚はあるので
毎年年初には今年こそシャキーンと心を入れ替えて真人間になろうと
石原出版社謹製の10年日記にしたためたりしているのである。
が、2冊目となった10年日記の最後の年となった今年、
元旦のページにズラリと並んだ10年分の年頭所感を眺めてみれば、
その内容がほぼ同じ、つまり自分が全く成長していないことが一目瞭然なのだった(爆)

ところが世の中には、フルタイムで働き私よりよほど忙しい生活をしていながら、
主婦業・母業・妻業も完璧にこなす素晴らしいWMたちがたくさんいて、頭が下がる。
彼女たちの辞書に「怠惰」の文字は無さそうだ。
代わりに「リラクゼーション(リラクセーション)」という優雅な単語が見つかるかも知れない。続きを読む
posted by えほんうるふ at 21:29 | Comment(2) | TrackBack(0) | 目からウロコが落ちる絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月19日

憧れのバイリンガル

サンタをたすけたくじらサンタをたすけたくじら
ロジャー デュボアザン なかにし ゆりこ

新世研 1999-11
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東京で生まれ育った私は、標準語しかしゃべれない。
いや、もしかすると厳密には私が日頃使っている日本語は「東京弁」なのだが、
それが標準語と呼ばれるものに非常に近いため、区別がつかないだけかもしれない。
そんな自分にとって、方言と言えばテレビでお笑い芸人が話す関西弁や
映画やドラマの登場人物が口にする広島弁や土佐弁の印象が強く、
身近に生の方言を聞く機会がほとんどなかったこともあって
それぞれの方言のイメージを逆手にとった「演出」のように感じていた。

初めて生の方言の威力にびっくりしたのは、社会人になって間もなくのこと、
新入社員の合同宿泊研修で地方出身の同期たちと数日間を共にした時だった。続きを読む
posted by えほんうるふ at 01:51 | Comment(2) | TrackBack(0) | 声に出して読みたい絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月15日

最強イタイケなもの攻撃

ビロードのうさぎビロードのうさぎ
マージェリィ・W. ビアンコ/原作
酒井 駒子/絵・抄訳

ブロンズ新社 2007-04

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今時の就活や婚活においては、履歴書の趣味・特技欄に「読書」と記入するのはNGらしい。
早い話が無難すぎて何の自己アピールにもならないということだ。
確かに、自分を売り込むための資料で、限られた文字数で最大限の自己アピールをするのに、
何もわざわざ自分を凡庸に見せる言葉を選ばんでも・・と私も思うが、
これが「趣味:絵本鑑賞」ならばどうだろう。続きを読む
posted by えほんうるふ at 01:38 | Comment(2) | TrackBack(0) | 泣ける絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月24日

全ての人に「ホーム」が必要

うちにかえったガラゴうちにかえったガラゴ
島田 ゆか

文渓堂 2002-06
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仕事で常に全国を飛び回っていて、住所不定に近い生活をしている人にとって、
マイホームとはどのような場所なのだろう。

たまたま先日観たジョージ・クルーニー主演の「マイレージ・マイライフ」という映画では、
主人公のライアンは1年のうち322日を出張に費やし、全米を股にかけて年間350万マイルを
飛行機で移動し続けるという生活をしていた。
マイレージ1000万マイル達成を目指す彼にとっては、フライト中の機内こそがマイホーム。
搭乗口では馴染みのグランドホステスが「おかえりなさい」と出迎えてくれる。

そんな彼の「帰宅」シーンが作中に出てくるのだが、ちっとも嬉しそうではなく、
むしろ仕方なく嫌々立ち寄るという風情なのが印象的だった。続きを読む
posted by えほんうるふ at 22:30 | Comment(6) | TrackBack(0) | 嬉しくなる絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする