2005年11月06日

読む「ゆる体操」のススメ

4834017370みんななにがすき?
沢野 ひとし
福音館書店 2001-02

by G-Tools

職業病か、はたまた深夜のパソコンのし過ぎが原因か、どうも最近腰が痛い。整体や鍼灸でバキバキッ、シャキーン!と治したいところだが、なかなかその時間もとれないので、夫に勧められた「ゆる体操」なるものを毎晩の就寝前にやってみることにした。「ゆる体操」を考案した高岡英夫氏の著書には、誰でも身体をゆるめさえすれば心身の健康や身体能力だけでなく人格も仕事も家庭生活もほぼ全面的に向上するという、一見どう見てもマユツバものの講釈がとうとうと述べられているのであるが、数ヶ月前に始めた夫によると確かに効果があり、疲れにくくなり身体が軽くなったという。ならばやってみても損はなかろうと私も見よう見まねで始めたわけだ。実践方法はいたって簡単で手間も時間もお金もかからないが、唯一にして最大の難点は、やっている最中の姿が凄まじくアヤシイことにある。夜中に夫婦で向き合って真顔でこれをやっている様子は、端から見たらそうとう怖いのではないかと思う。
このゆる体操にはその体勢によって「寝ゆる」「歩きゆる」など各種あり、それぞれに身体各部の余計な緊張を徹底的にゆるめる効果があるという。ただしこれらの体操はあくまでも身体的なゆる効果を第一に考案されたものなので、身体がゆるんだ結果精神的にも楽になるという効果はあるかも知れないが、心理的ストレスの解消そのものを狙ったものではないようだ。
そこで私は、絵本を読むことは時にアタマとココロの緊張や疲れをゆるめ緩和する「読みゆる」に値するのではないかと考えた。そして真っ先に頭に浮かんだ絵本が、今日紹介する沢野ひとし氏作の「みんな なにが すき?」である。

この絵本は一言で言うと、「ゆるんでいる」のである。内容を詳しく説明するのがアホらしくなるぐらい素晴らしくゆるみきっていて、まさに「ゆる絵本」代表にふさわしい。絵も文も、嬉しくなるぐらい素敵に脱力していてココロが和む。
とはいえ最初から最後までゆるみっぱなしでは面白くないが、そこに唯一骨のあるところを見せようとするライオンが登場するのがこの絵本のニクイところなのだ。このライオンの天然ボケな表情&無意味なポーズが実にいい!つい突っ張って見せて(そのツッパリがまた、どうしようもなくゆるい(笑))ひっこみのつかなくなったライオンさんも、最後には無事ゆるキャラ全開となり、ハッピーなゆるエンディングにつながるのだった。

それにしても、「ゆる絵」&「ゆる文」作家としての沢野ひとし氏の才能はスゴイと思う。骨格を感じさせない佇まいの動物たち。手書きで書き込まれるぼそぼそとした素朴なつぶやき。緻密さや整然さとは無縁のおよそ美しいとはいえない作風だが、なんともいえない懐の深さを感じさせ、ココロ癒される。
世の不条理にブルーになった時にはこんな「読みゆる」絵本で心のコリをほぐそう。
posted by えほんうるふ at 22:31 | Comment(10) | TrackBack(0) | 愛すべき脱力系絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
沢野ひとし大先生の本なのですね!
沢野大先生と、あがめたてまつっているものの、実は沢野大先生の文章は読んだことがないのであ〜る。
椎名誠さんつながりで、絵のほうはよく知っているんですけどねぇ。はぃ。椎名さんの表紙や椎名さんのエッセイにもよく登場なさってますし。
う〜〜ん。この本の表紙もあやしすぎるほどにあやしい!
これ、ほんとに絵本?
--(や)--

Posted by 山猫編集長 at 2005年11月07日 23:48
>山猫編集長

そうなのです。あの大先生のあの大ケッサク的画風がそのまま文章になったような文なのですよ。絵はもちろん見れば見るほど沢野ワールドで、嬉しくてたまらなくなっちゃうのです。
ストーリーはゆるゆるのようでいて、ちゃんと起承転結があって、絵本としても完成度の高い一冊ですよ。なんてったって天下の福音館書店発行ですから。そのクオリティは推して知るべし、です(^_^)
Posted by えほんうるふ at 2005年11月09日 01:18
こんには、アキンガーです。
おお〜ゆる体操!僕の知り合いのマーケッター及川英俊(アスマップ代表)もやってました。「おまえもやれ」っていわれ、やりました。かなり怪しかったです。「コマネチ」みたいなVゾーン体操もあるんですよね。
及川さんは、ゆる体操の講師の免許も取りに行ったみたい。どうなったのかな〜
Posted by アキンガー at 2005年11月09日 09:40
ゆる体操→読みゆる→沢野ひとし という展開がいい
「読みゆる」という語句を発明したところで一本!ですね くやしい 
「食べゆる」→ところてん 「笑いゆる」→アンガールズ(古い)って感じですかね。
Posted by 絵本おじさん at 2005年11月09日 19:26
>アキンガーさん

ゆる体操って、私はこれまでよく知らなかったんですが結構有名みたいですね。狙ってないのに笑いを取れる体操でもありますので、覚えておいて損はないかも(笑)
Posted by えほんうるふ at 2005年11月11日 21:44
>絵本おじさん

食べゆるがところてん!なるほど、そうきましたか。私にとってはもうちょっと甘いものの方が効きそうですね〜そうだなぁ、ミスドのポンデリングとか。アンガールズってもう古いの?好きなのに…。あの二人の出演するゆる体操解説ビデオがあったらいいのに。
Posted by えほんうるふ at 2005年11月11日 21:50
最初に沢野ひとしの絵を見たときは、こんな絵が商業ベースに乗るのか?と疑問をもったものですが、偏見でした。今ではすっかり沢野ワールドは認められていますね。沢野画伯!の才能もさることながら、沢野を発掘した椎名誠も名プロデューサーだなぁなんて思います。
Posted by enzian at 2005年11月14日 16:36
>enzianさん

一見こんな絵、と思えても、もはや誰にも真似できないところが沢野画伯のすごさです。素人がわざと適当にゆる〜い絵を描いてみたところで「ちょっと沢野ひとし風ね」と言われるのがオチ(^^;)
Posted by えほんうるふ at 2005年11月15日 19:10
ゆる体操をアキンガーさんに強制指導している及川英俊です。
今度、指導してやる。
Posted by 及川英俊 at 2006年03月12日 22:14
>及川英俊さん

私も強制指導されちゃうんでしょうか(^^;)
今私はゆるに加えて自力整体というものに凝ってまして、体調はすこぶる良いですよ♪
Posted by えほんうるふ at 2006年03月13日 23:31
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