![]() | うさぎさんてつだってほしいの シャーロット・ゾロトウ こだま ともこ モーリス・センダック 冨山房 1974-01 by G-Tools |
若手お笑い芸人がもてはやされる昨今、今時の日本の若い女の子にとって、いい男の条件としてルックス以上に重要なのは、人を笑わせる才気や要領の良さであり、冗談が分かり真面目すぎないことだとか。どんなにルックスの良い男でも、時には自分をおとしめて笑いを取るようなキャラクターを演出しないと、あっという間に嘲笑の対象になり、下手すると女子高生に「スカしてんじゃねぇよ」と一蹴されて終わる。つまり、クールで粋な昔ながらのイイ男は、もはや絶滅の危機にあるのだ。
無論、「気障」という言葉も死語の世界に片足つっこんでると言っても過言ではないだろう。今日日キザとはあくまでもそれを装って笑いを取るための手法であり、決して目指すとか憧れる対象ではないらしい。
ところがどっこい(これも死語か)絵本の中には今もってバッチリと気障の美学が生きているのである。そこで今回は数ある絵本の中から私が一目惚れした、素晴らしく気障でそれがまた似合っているキャラクターを紹介しよう。
何の前触れもなく、いきなり見知らぬ少女にお母さんの誕生日プレゼントを一緒に考えて欲しいと言われ、よしきたと引き受けるうさぎさん。そこで二人は・・と、かなり唐突な始まり方をする話なのだが、それでいいのだ、くどくどと余計な説明や前フリは不要なのだと納得してしまうのは、物語が登場人物二人の会話のみによって構成されているからである。この少女とうさぎ氏の対話がまた妙に芝居がかっていてオシャレで、日本語訳のスカシっぷりも小気味よい。何よりも私が感心したのはこのうさぎ氏、どのページを見ても完璧にキザな姿勢を崩さないのである。その佇まいに負けず劣らず台詞のクールさも板に付いていて、「こいつはホンモノだ」と思わせる何かが彼にはある。いや、見かけはただのでかいウサギなんだが。
ちなみにこちらの絵本、ゾロトウ文&センダック絵という絵本好きにはたまらない豪華な共作であり、それだけに文も絵も粋で読んで損はない味のある一冊だと思う。
センダックが描く自由奔放な少年達とはかけ離れたキャラクターである「うさぎさん」のオトナっぷりを眺めるのも、センダックファンとしては彼の世界の奥深さを感じて嬉しかったりする。
【キャラクターに惚れる絵本の過去ログ】
この八頭身のイキなうさぎに惹かれました!!
おぉ…このような絵本があるのですね〜。とても面白そうですね!そしてこのウサギの座り方がすでにハードボイルドな感じで…気になります(笑)今度本屋でチェックしてみようと思います!
実は勝手ながら私のブログのMYブログリストに、えほんうるふ様のブログ登録させて頂きました。これからも素敵な絵本の紹介、楽しみにさせて頂きますネ!!応援しております。
こんにちは!
このウサギは侮れないですよ。ほぼ絶滅種と思われる天然系伊達男っぷりは絵本界の田村正和と呼びたいくらいで、惚れ惚れしちゃいます。ぜひチェックしてみてください。
ところで私もとっくにまりんさんのサイトはここのお気に入りリストに登録した・・と思っていたのですが、自分のFirefoxのLive BMに入れて満足してしまっていました。まりんさんの文章読むたびに爆笑している私としたことがっ。早速追加しておきまっす。
今日の接客中、品物をお渡したお客様…イケメンな男子高校生に「ありがとう。」と微笑まれ、「お主、やるなっ。」とその気障さ加減に脱帽したのでした。彼は正統派だったよ。(笑)
気障は天性のものなのかしらね?
そのイケメン男子高校生、いいねぇ。若さとキザを兼ね備えるのってかなり難しいと思うのですが、天然だったら無敵!(って何に対してだ?)
そういえば学生時代の友人に、飲食店でウェイトレスを呼ぶときに指を鳴らす男がいたな。今思えばヤツも間違いなく天然だった。今どんなオッサンになっているのか興味深いな〜。
「すてきな プレゼントに なるぜ。」の台詞が特にいい感じです、個人的には。
ちょっと残念だったのは、この本が書庫に入っていたことかもしれません。
絵本はすきなのですが、数を読んでいないので、いつも参考にさせてもらっております。次に何の絵本が出てくるか楽しみにしています。
何気ない仕草まで完璧ですよね、うさぎさん。別れ際の流し目にどきどき。まりんさんからのコメントへのレスで「絵本界の田村正和」と書きましたが、年代を想像するにミッチー(及川光博)の方が近いかも。カリスマ性のあるキャラだと思います。
書庫というのは、閉架式ということでしょうか?そこまでの稀少本でもない気がしますが・・。とにかくご覧いただけて良かったです。
ところでこの絵本、以前絵本の読書会で話題になったことがあります。
私は三人娘の母であるせいか、
「ちょっとちょっとぉ〜!危ないなぁ。
そんなキザ男に騙されちゃだめよ〜。」なんて思いましたっけ。
他のメンバーも母親ばかりなので大方そんな意見でした。男性の方だとまた違った視点で面白いですね!
こんにちは。オトナノトモへようこそ!
そうですねぇ・・たしかにこのうさぎさんは「本気になったら火傷をする」タイプかも知れませんねぇ。まあ世の中にはそういうタイプの男もいるということを絵本で免疫をつけておくのも無駄にはならないかと・・。
それと、よく間違われるのですが、実は私、女性です。ちなみに2児(一姫二太郎)の母だったりもします。別に男性を装っているつもりはないのですが、このブログの読者にはよく間違えられます。もしかしたら未だに気が付いていない人もいるかも知れません。なので全然気にしないで下さい(笑)
ブログのデザインやハンドルネームから
男の方かと…
また立ち寄らせていただきます。
早速お邪魔させていただきます。
大人が読んでも素敵な絵本って、たくさんありますけど、この絵本なんてまさしくそうですよね。
うっとり眺めてしまいます(笑)。
オトナノトモ。素敵です。(^^)
又、遊びに来ますね。
TBも、させていただきました。
よろしくお願いします。
オトナノトモへようこそ!
そうそう、この絵本はオトナの味わいですよねー。このウサギさんをこういうキャラクターで描くことにしたのはゾロトウのアイデアなのかセンダックの独創なのか、気になるところです。
狭苦しいところですが冷やかし大歓迎ですので、どうぞまたお気軽にお立ち寄り下さい。
『キザ』という単語の意味を少し調べようと思って
googleで検索したらこのページに目が止まりました。
実は某SNSを徘徊しておりましたら、私の事を
『一日中キザ男』と書いている日記にぶつかりまして(笑)
まぁ、書いた方も私が読むことを全く想定してなかったんだろうな(^^)
そのウサギさんが、どの位『キザ』なのか気になりますよ(^-^)
参考(?)にします!
初めまして。オトナノトモへようこそ。
一日中キザ男でいられるなんてスゴイことだと思います。
ご自分のキャラクターが確立されていることに自信を持つべきですよ♪
この絵本のウサギさんはそういう雰囲気が似合ってます。いきなり薔薇の背景を背負って出てきても納得できます(笑)