2014年12月16日

ぶれない生き様

クリスマスのおくりものクリスマスのおくりもの
ジョン バーニンガム John Burningham

ほるぷ出版 1993-11
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例年この時期にはクリスマスにちなんだ絵本を採り上げている。
今年は何にしようかな、と考えた時、たまたま思い浮かんだお気に入りが
今日の絵本、ジョン・バーニンガムの「クリスマスのおくりもの」であった。

これまでこのブログでは、どの絵本を採り上げたときも、
のっけからいきなりその作家への愛を叫ぶことはなかったと思うが、
久々に大好きなこの絵本を手にした途端、やはり叫びたくなった。

私は、バーニンガムの絵本が大好きだ!

なぜ私は彼の作品が好きなのか?
一言で言うとそれは、
彼の描く主人公がいつも、
自分の進むべき道に対して迷いがないからである。
私の大好きな彼の作品に出て来る主人公は、
生まれついた属性や置かれた境遇や降り掛かる災難にも関係なく、
皆一様に清々しいほどのぶれない生き方をしているのだ。

例えば、過去にこのブログでも採り上げた、
「いつもちこくのおとこのこ・・」の主人公ジョン。
人生バラ色とは言いがたい、むしろ閉塞的とも言える境遇で
ぞっとするような毎日を生きることを強いられていても、
彼はその宿命を受け入れ、何があっても淡々とやるべきことをやる。
その清々しいほどのぶれない生き様が、何ともかっこいいのだ。
そしてそのイカした生き様は、私の好きなバーニンガム作品の主人公、
コートニー、アルド、シャーリー、シンプ、ガンピーさん・・・
なんと、しっかり皆に共通しているのである。

そしてさらに、ろくにもの言わぬ主人公に代わって、
その時その時の彼や彼女の心象を表すような、
圧倒的な色と筆致で描かれる、饒舌な背景。

即ち、キャラクターと、画力。
これが私にとって、バーニンガム作品の何よりの魅力である。
そしてもちろん、バーニンガムがクリスマス絵本を描けば、
サンタクロースもまた、この愛すべき魅力を備えた人物となる。

そんなわけで今日の絵本は、例えどんな障害に阻まれようと
任務を遂行すべく迷い無く突き進む、カッチョいいサンタのお話だ。

一年に一度の大仕事を終え、疲れきって帰宅したサンタクロース氏。
ところが、袋の中にたった一つ、配りそびれたプレゼントがあった。
もちろん、彼は迷うこと無く、すぐさま再び家を出る。
やるべき仕事をやり通す為に。

何度となく災難に見舞われても、彼は決して諦めない。
逡巡の末、或いは、失敗を繰り返した挙げ句の挫折という、
普通の人間の人生にはありがちな展開が、ここにはない。
そしてそんな彼の行く手に必ずや現れる希望の光・・・。

絵本の中でしかあり得ないその強さ、
読む者の期待を裏切らない嬉しい超展開に、
凡人の私はうっとりと憧れ、
思うようにならぬ現実をしばし忘れて心を遊ばせることができる。
私はこんな素晴らしい作品に出逢う度に、
絵本はオトナにこそ必要な「心のおやつ」なのだと思う。
posted by えほんうるふ at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | カッコイイ絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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