2013年12月17日

気になる箱の中身

クリスマスの ふしぎな はこ (幼児絵本)クリスマスの ふしぎな はこ (幼児絵本)
長谷川 摂子 斉藤 俊行

福音館書店 2008-10-10

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毎年11月最後の日、子ども達が寝静まるのを待って私はゴソゴソとクローゼットから
あるものを引っ張りだしてくる。
それは、アドベントカレンダーである。

アドベントカレンダーとは、クリスマスまでの24日間を数える為に作られた、様々な工夫
を凝らしたカレンダーのことで、古くは19世紀初頭のドイツで始められた習慣という。
例えばポスタータイプのものだと、紙面に24個の小さな窓や扉が付いていて、
アドベント(イエス・キリストの降誕を待つ期間)の期間中、毎日ひとつずつその窓を
開けていき、すべての窓を開け終わるとめでたくクリスマスを迎えたことになる。

ちなみに我が家のアドベントカレンダーは、
十年ほど前にスターバックスで買ったもので、
小さな引き出しをツリーの形に積み上げた形をしていて、
一つ一つの引き出しに1から24までの日付が付いている。
日付の反対側の側面にはそれぞれ絵が描かれていて、
日付順に開けてひっくり返していくと、最後にはツリー型の
一枚の絵柄が完成するというなかなか楽しい仕掛けである。
(ちなみに無印良品でも同じデザインで無地のものが売られている)

そして私が毎年11月30日の夜に準備するのは、この小さな24個の引き出しそれぞれに、
子ども二人分の小さなお菓子をあれこれ詰めるという作業なのである。
何しろ一辺3.5cmの小さな立方体なので、詰められるお菓子(それもふたり分!)は
かなり限定される。
それでも、チロルチョコやらハイチュウやらキャラメルやフーセンガムなど、
普段あまり買わない細かいお菓子をあれこれ買って来ては、毎日違う物が出るように
工夫しつつ、ちまちまとその小さな箱に詰めて行くのは、面倒ながらも楽しい作業だ。
我が家の子ども達は、毎年12月のこの時期だけは、朝起きるなり毎日違ったささやかな
「おめざ」にありつけるというわけで、毎朝二人とも競うように起きてきては、
その日の引き出しを開けて嬉しそうに分け合っているのが微笑ましい。


さて、毎年12月にはクリスマス絵本をとりあげてきたが、
今日の絵本「クリスマスのふしぎなはこ」は、クリスマスイブに
刻一刻と中の様子が変化するふしぎな箱を手に入れた男の子のお話だ。
待ちに待ったお楽しみの瞬間までの時の経過を楽しむという趣向が、
ちょうど少しずつ開いていくアドベントカレンダーのように楽しくて、
印象に残った一冊である。

男の子が縁の下で見つけた小さな木彫りの箱には、なんとサンタさんが入っていた。
それはまるで遠い彼の地のサンタクロースの仕事ぶりをモニターするかのように、
男の子が覗き込む度にその進捗具合を見せてくれるふしぎな箱だったのだ。
箱庭やドールハウスを覗き込むような愉しみと、目的地に向かって、
着実にサンタが働いている様子を確認しては、否が応でも高まる期待。
男の子が箱を覗き込む度に、読んでいるこちらも思わず
サンタの仕事の進展具合が気になって、どきどきワクワクしてしまうのだ。

おそらく今の技術をもってすれば、このような箱を
実際におもちゃとして作ることは可能なのではないかと思う。
箱の中でホログラムを映写するような装置を作り、実際の日付をカウントして
箱が開けられる度にそれぞれの日用にプログラムされた映像が再生される、
ちょうどハリー・ポッターに出てくる日刊予言者新聞のようなイメージだ。
一年に一時期、たった24日間しか動かないからこそ、
それはとても贅沢で素敵なおもちゃに思えるのではないだろうか。

そういえば、私がこの絵本を読んでもう一つ思い出したのが、
たむらしげるさんの往年の名作CD-ROM作品「ファンタスマゴリア」である。
それは、美しく不思議な惑星ファンタスマゴリアの中を、あちらこちらへと旅して
行く先々で繰り広げられるささやかなイベントをアニメーションで楽しむという
とても楽しい作品であった。
95年に発売されたそのCD-ROMを私はこよなく愛し、毎日毎晩眺めていたのだが、
場所によっては、何度訪れてもほとんど同じ光景しか見られない場所があった。
その一つが「サンタクロース村」で、いつ行っても誰もいなくて、ひっそり
静まり返ったサンタ型の家々が物悲しく見えるほどなのだが、その村が年に一度、
12月になったとたん活気を取り戻し、わらわらとサンタ達が画面に現れて
忙しそうにプレゼントの準備をする様子が眺められるのである。
最初に見たときはその鮮やかな季節感の演出にいたく感動し、
大声で家族を呼んでしまった。そしてこれまた飽きずに毎日眺めたものだ。

残念ながら今の私のMacでは最早このCD-ROMは上手く作動しないのだが、
たむらさんの絵本「サンタのおもちゃ工場」に、その年に一度の活気溢れる
サンタ村の様子が描かれている。
残念ながら上記のCD-ROMも絵本も現在は入手困難になっているが、
たむらしげるさんのオフィシャルサイトで画像が紹介されているので、
是非ご参照いただきたい。
Tamura Shigeru Studio

それでは今年も、皆様に素敵なクリスマスが訪れますように。
メリー・クリスマス!!

【好奇心がうずく絵本の過去ログ】
posted by えほんうるふ at 09:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 好奇心がうずく絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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