2006年12月27日

毎日が晴れ舞台

オーケストラの105人オーケストラの105人
カーラ カスキン Kara Kuskin Marc Simont

すえもりブックス 1995-11
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


やれやれ。ようやく年内にケリをつけたかった大仕事の目処がたって、ほっと一息。
手つかずの年賀状から目をそらしつつ、絵本だ、絵本。

と言っても、絵本の前に今回は珍しくテレビドラマの話から。
先日、フジテレビの月9ドラマ「のだめカンタービレ」が惜しまれつつ終了した。
素晴らしい作品だった。普段あまりテレビを見ない私が、たまたまこの連ドラの初回を目にして自分でも驚くほどハマッてしまい、(多分)生まれて初めて1回も欠かさず最終回まで見切ったのだった。しかもただでさえ忙しい中、公開収録のエキストラに応募して平日の早朝に夫に子供を任せてロケに駆けつける入れこみよう…我ながら狂ってる。私ってこんなにミーハーな女だったのね(恥)。
 
そこまでハマッた理由の第一が面食いの私がキャラはまり役の主演男優に年甲斐もなくのぼせ上がったから(爆)というのは否定しないが、とにかく原作が素晴らしく私のツボをついた変態加減だったこと、キャスティングが絶妙でそれぞれのキャラクターが非常に魅力的だったこと、クラシック音楽&オーケストラというただでさえ扱いの難しそうな題材を、原作に忠実に丁寧に映像化したスタッフと役者達のプロの仕事ぶりに毎回感心させられたことなど、偏屈者の私をミーハーに変えるだけの要素が揃っていたと思う。
ちなみに我が家の子供達も大ファンとなり、毎日のように録画を見ては笑い転げている。スルメ交響曲を外で歌うのはやめて欲しいが…

ということでオーケストラとくればこの絵本。
舞台の上にオーケストラという完成された集合体ができあがる、そのほんの数時間前からこの絵本のストーリーは始まる。私のようなクラシック門外漢から見ると、プロのオーケストラという集団は特殊技能を持った選ばれた人間の集団に思え、個々の団員にそれぞれの私生活があり凡人である自分と同じような日常を営んでいることが想像しにくい。しかし、それぞれの準備を経てステージへと向かう105人のメンバーの姿を眺めていると、彼ら一人一人に「ケ」の日常があり、トイレにも入れば下着も晒し、それぞれに家族がいて、ごく当たり前にそれぞれの生活を営んでいることが分かり、なんだか親近感が湧いてくる。そして、そんな彼らが「ハレ」の場に集まってそれぞれの仕事を果たすことで、凡人には決して作り出せない素晴らしいハーモニーが生まれる、そこにオーケストラの感動があるということを読む者に気が付かせてくれるのだ。

やっぱり、音楽って素晴らしいわね…(by真澄ちゃん)
そういえば私も中学時代、ほんの一時だが吹奏楽部に所属していたことがある。シーラ・Eに憧れてパーカッションを担当したが、その動機からして方向が間違っていたのか、同性の先輩に「生意気だ」云々のいちゃもんを付けられ、鬱陶しくなって1年程でやめてしまった。
もしあのまま続けていたら、私の人生は変わっていたのだろうか?

でも、たとえ実際には楽器演奏に縁のない生活をしていようと、
私たちは誰もが複数のオーケストラに所属するプロの音楽家のようなものではないだろうか。
家族というオケ、学校というオケ、職場というオケ、地域社会というオケ…
それぞれの場所で、いかに自分らしく、自分の音を奏でるか。
不協和音が生じたときに、どうやってそれを解消するか。
どうやってお互いの良さを引き出し、バランスを保ち、美しいシンフォニーを作り出すか。
人は皆そうやって自分の与えられた楽器と格闘しながら生きているのだろう。

それにしても、「のだめ〜」のSオケは素晴らしかった。
集団のために個を捨てるんじゃなく、個を最大限に活かすための集団。
技術的には劣ろうとも、それぞれが自分がその場にいることを幸せに思い、その喜びが一人一人にみなぎって輝いていた。
全ての人が自分にとってのSオケを見つけられたら、きっと世の中はもっと素敵になるだろう。
ビバ音楽!ビバ人生!!
posted by えほんうるふ at 21:19 | Comment(18) | TrackBack(0) | 元気が出る絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです♪
大仕事の目処がたってよかったですね。
記事を楽しみに待ってましたよ。

個を活かすためのための集団。
いわゆるプロ、職人と言っても良いですが、プライドを持った本物の職人は好きです。職人でありながら、コーディネート力やプロデュース力を持ったら鬼に金棒ですが、それは一握りの人。
普通はどちらかになる方が多いですよね。それでも、優秀な職人を優秀なプロデューサーが仕切っている集団に出くわすと、娯楽であれ仕事であれ高い満足感が得られます。その代わりこちらもある程度のレベルに無いと本当の満足は得られませんけどね。

「のだめ〜」は1度だけ見ましたが、私もなかなか面白いと思いました。三谷幸喜のミュージカルで”オケピ!”というのがありましたが、これもオーケストラピットの人たちの人間模様を描いたもので面白かったのですが、それを思い出しました。
Posted by J.T. at 2006年12月27日 22:36
オイラも、うちの家族もすっかりハマりました「のだめ」ドラマ版♪
いまだにアタマの中で「ラプソディ・イン・ブルー」がずっと流れてます。
おそらく、あそこまでマンガに忠実な演出というのは相当のチャレンジだったはず。
あまりに見事で、エンディングのスタッフクレジットにおもわず(マジで)拍手しました!

えほんうるふ先生は公開収録まで行ったのか〜!
すごい! でも共感します。
オイラは公開収録じゃないけど、たまたま娘の
受験の準備で「あの学校」を下見してたので
それだけで満足でした(笑)
「あ、あの階段って、あの階段じゃん」
とか。。。


さて、

>私たちは誰もが複数のオーケストラに所属する
>プロの音楽家のようなものではないだろうか。
>家族というオケ、学校というオケ、職場というオケ、
>地域社会というオケ…

グレイト!
うるふちゃーん、ソノトオリだと思いマース
(ミルヒー)
↑感動しました。

付け加えるなら、
演奏者たちの持つ個性と音を理解したうえで
それぞれのよさを引き出し、美しい音楽にする
指揮者って大事だよな、とも。


もちろん、ジャズな生き方もあるんだけど。
※「ジャズバンドの20人」という絵本があったら
 それはそれで楽しそう。。。
Posted by よはね at 2006年12月28日 13:29
のだめ、最終回の3話前くらいに突然
家族全員「原作読みたい症候群」にかかり、
1週間くらいで16巻まで制覇しました。
(小学生にマンガの大人買いなんか教えちゃダメですね(^^;))

エキストラ、大変だったでしょう?
待ち時間が長くて(笑)
でも、知ってたら私も応募しちゃってたカモ♪
気付いたのが収録後だったのです。
ちょびっとうらやましいな〜
Posted by miyaco at 2006年12月30日 01:47
>J.T.さん

ご無沙汰しちゃってます。ちょうど2ヶ月ぶりの更新でした。

ドラマの中にもそんな台詞がありましたが、いくら才能があってもそれを活かす場なり人との出会いなりに恵まれないとなかなか成功には至らないとか。人との出会いばかりは個人の努力だけではどうしようもない面もあると思えば、運も才能のうちというのも遠からずということでしょうか…
Posted by えほんうるふ at 2006年12月30日 03:38
>よはねちゃん

ほんと、完成度の高い作品でしたよね〜。関係者全員に拍手したい。
私は原作を後から読んだクチですが、あまりにもドラマのまんまなので拍子抜けしちゃいました。

お嬢さん、あちらを受験なさるの? いいところですね〜
相変わらずパパ稼業もバッチリですね(^^)

「ジャズバンドの20人」、面白いネタだ!
それでいうと、私たちの日常の全てがその場限りのジャムセッション?
その考え方もすごく素敵ですね。
そう言えば先日矢野顕子さんと上原ひろみさんのセッションライブを聴きに行きましたが、まさにブラボー!!だったですっ。
Posted by えほんうるふ at 2006年12月30日 03:39
>miyacoさん

ドラマ開始から現在に至るまで、Amazonの売り上げランキングがほとんど「のだめ」で埋まってますね。いったいどれだけの人が「オトナ買い」に走っちゃったんでしょう(^^;) 私も仲間入りしたいのを堪えて堪えてチビチビ買ってます。

エキストラ、確かに待ち時間長かったけど全然辛くなかったですよ。
ずっと出演者の皆さんが視界に入ってましたし♪
むしろ役者さん達は大変だな〜と思いました。
Posted by えほんうるふ at 2006年12月30日 03:40
えほんうるふさん
 あけましておめでとうございます。えーーっ!「のだめ」のエキストラやってたんですか?面白そう!私みたいにド郊外に暮らしている人間にはなかなか出来ない羨ましい待遇です。もちろん苦労もあったんでしょうが・・・

 いつかどこかで聞いた《よく出来たウェイターはよく出来たウェイターを演じている》ということばを思い出してしまいました。えほんうるふさんの人生を前向きに楽しんでいる様が見えたような気がします。

 今年もどうぞよろしくお願いします。
Posted by ぴぐもん at 2007年01月02日 22:29
ロケまで行ったの!!びっくり。

今年も更新されてるかな。。。と淡い期待を抱きながら毎日見ます(笑)

今年もよろしくどーぞ。
Posted by 753 at 2007年01月05日 01:46
>ぴぐもんさん

お返事が遅れて失礼しました。
今年もどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

《よく出来たウェイターはよく出来たウェイターを演じている》
なかなか興味深い、面白い言葉ですね。
私は決していついかなる時も前向きでいられるような楽天家ではないのですが、不安の多いときこそ自ら前向きな自分を演じて気持ちを盛り上げようとする傾向があります(笑)
Posted by えほんうるふ at 2007年01月06日 02:05
>753ちゃん

行くんだ〜!&行ってきたんだ〜!!
って、あんなに店で騒いでたのに、気が付かなかった?(笑)

こんなところで言うのもなんですが、今年もきっちりご指導ご鞭撻の程、どうぞよろしくお願い致します。
Posted by えほんうるふ at 2007年01月06日 02:06
えほんうるふさん、御無沙汰しています。
本年もまた楽しませて頂きます。
それにしてもえほんうるふさんが『のだめ』に入れ込んでいたとは意外でした!私も初回放送をたまたまテレビのスイッチオンにしていたのでクラシックの音色にひかれてみてしまいました。それから見たかったのですが、曜日と時間帯を覚えきれない私で、不規則生活者の私には無理でした。
昨日はたまたま久方ぶりの友人にあって素敵なフランス語の流れる空間に身を置き、うっとりとしていました。まさにプチオーケストラでした。
Posted by mine at 2007年01月10日 02:00
>mineさん

こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

ドラマにはまるなんて、私も意外でした(笑)
日頃、ほとんどテレビを見ないんですよ。ニュースと映画、あとは子供番組ぐらいかな。私も不規則生活者なんで連ドラなんてとてもとても…でした。今回は、「面白そうだよ」とテレビ好きの夫が毎回予約録画してくれたんです。

フランス語の響きって確かに美しいですよね。怒鳴り合いも優雅に聞こえたりして?(笑)
Posted by えほんうるふ at 2007年01月13日 02:22
こんにちわ
年末にコメント入れようと書き込んだのですが
うまく話がつながらず消してしまったままでした。
大仕事は住んだのですか、アレのことですか、これのことですか。
今年もよろしくお願いいたします、またご連絡ください。
Posted by 絵本おじさん at 2007年01月18日 21:40
ご無沙汰しています。
一時期吹奏楽部だったのですね。わたしも中学生のころ、吹奏楽部でした。フルートでしたが。
こちらの絵本、オーケストラの団員の日常が描かれているようで、面白そうです。
いつもこんな絵本があるんだ!という本を紹介されていて、幅広い読書と研究で驚きつつ楽しんでいます。
この絵本も今度図書館で借りてみたいとおもっています♪ 
Posted by kmy at 2007年01月19日 20:03
>絵本おじさん

どーもです。
私も絵本おじさんじゃないけれど、最近はオフラインの出会いが多く、毎日のように初対面の人と会ったり話したりの刺激的な毎日です。リアル生活が忙しいとやっぱりネット上のお付き合いまで中々手が回りませんね(^^;)

大仕事はアレですよアレ。ようやく決まったんです。一番最初に相談したのは絵本おじさんだったかな。
またご連絡しますね。
Posted by えほんうるふ at 2007年01月22日 02:07
>kmyさん

こちらこそご無沙汰してばかりでスミマセン。

フルートやってらしたんですか?あのパートは美男美女が多いとか聞きますよ(*^_^*)

最近は、私としたことが一日24時間のうち読み聞かせを含む絵本関係の作業に割ける時間が限りなく0に近い状態で、えほんうるふの名が廃りますね…
私としても潤いに欠ける過負荷な生活にやや消耗気味ですが、少なくともあと数ヶ月は落ち着けないようです。早く復帰したいです…
Posted by えほんうるふ at 2007年01月22日 02:09
ご無沙汰しています。
実はプロバイダをうっかり変えちゃったところ、当たり前ですが、これまでのブログを使用できなくなりました。最近のものについては見れるようですが、ブログ内のリンクはまったくできません。そこで、jugemのブログをすることにしました。これまで書き溜めた記事はgoogleの検索にひっかかっていたもののキャッシュでなんとか見つけましたが、まったく一からの出直しです。本については、これまでの記事に付け加えながら、のんびり投稿していこうと思っています。本についてまだ一冊も書いていませんが、お気に入りブログのなかにまだ入れていただけるなら、リンクを貼りなおしていただけるとうれしいです。
コメントもいただいていたのに、ごめんなさい。
Posted by ぱいぽ at 2007年02月12日 21:28
>ぱいぽさん

コメントどうもです。こちらこそご無沙汰しちゃってます。
ぱいぽさんの「うっかり」、私も日頃マメにバックアップもとっていないので他人事じゃありません…気をつけます(^^;)
リンク貼り直しておきますね。今後もよろしくですm(_ _)m
Posted by えほんうるふ at 2007年02月18日 19:12
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/30397144

この記事へのトラックバック