2005年04月14日

マイペース異端児で行こう

やっぱりおおかみ
ささき まき
福音館書店 1977-04


by G-Tools

かなり前のことだが、病院の待合室で暇つぶしに眺めていた雑誌に「動物占い」が載っていた。生年月日だけで占える簡単さに何気なく自分の誕生日を早見表で探して結果を見てみると、あまりにも自分に当てはまっていて愕然とした。ちなみに占いによると私は「オオカミ」であった。

「オオカミ」の基本性格は、自分らしさを大切にし、常に人とは違う生き方を心がけ、周囲の動向に妥協せず何をするにも自己流にこだわり、周りから浮いた存在になろうとも、むしろ変わってるといわれるのが妙に嬉しかったりする・・・・だそうだ。
なんと私はそのまんまやっぱりおおかみであった。
この絵本の主人公のおおかみも、まさしくこの占いでいうオオカミそのもののキャラクターのように描かれていて、自分がなぜ妙にこの絵本とその主人公に共感してしまったのか、変なところで納得してしまった。

ちなみに、今でこそ生まれ持った個性を全うして生きていくことに満足している自分だが、こうして開き直るまでにはそれなりの紆余曲折があった。学生時代など、よく周囲に馴染めない自分を恨めしく思ったものだ。
いまや「出る杭は打たれる」のはコドモ社会でこそシビアな現実だ。みんなと同じでいなきゃ、それだけイジメの対象にされやすくなる。まだ視野も狭く自信のない子どもにとってはそれは死活問題だ。このおおかみは、「け」なんて言って強がっているけど、まだまだ世間知らず・自分知らずのコドモに違いない。だからきっと、一見クールにサラッと表現している以上に必死で仲間を捜しているのだ。その寂しさ、幼い心のこころもとなさは痛いほどよく分かり、ヘタすると目頭が熱くなる。
そうそう、そうやって悩んだよなぁ。さびしくても、やっぱり迎合できなかったんだよな。つまんない奴らと遊ぶために作り笑いするぐらいなら一人が良かったんだよな・・いやー、あの頃はよくブルーハーツを聞いては共感しまくって泣いていたっけ・・・と、孤独で危なっかしくて熱かった若かりし日々を回想するえほんうるふであった(恥)

でも、嬉しいことにこの絵本のおおかみはしっかり成長する。放浪の果てにちゃんと自分の生きる道を見つけ出して、清々しい開き直りの境地に達するのだ。このストーリー展開は何度読んでも気持ちが良く、しみじみと嬉しくなる。また、飛び上がって喜んだり勝ち誇ったりすることなく、「ああ、やっと見えた」というおおかみの静かな自信と安堵感が伝わってくる絵がいい。額に入れて家の壁に飾りたいぐらいだ。

彼が解き放った気球には、属性に依存して生きることへの未練が詰まっていたのではないだろうか。
そうだ、開き直っちまえば、人生楽しいぞ。人付き合いなんて要領でこなせるようになるさ。それより本当に強いのは自分を持っているヤツだってこと、早く気付けよ。広い世界にはお前と同じおおかみだって絶対いるから心配すんな。
もし見つからなかったら、ブログでもやってみろ。
(2005.11.18 一部改訂)
posted by えほんうるふ at 16:49 | Comment(8) | TrackBack(2) | 元気が出る絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
空です。
「動物占い」以前ちょっと見たことあったけど
自分が何かも忘れてしまっています。(ライオンだったかも・・)
あまり占いの類は信じない方なので。
でもえほんうるふさんは当たってるのですね。
ちょっと興味がわいてきたなぁ。
(え?絵本じゃなくって?ってつっこんでくださいよ・笑)

「やっぱりおおかみ」は私も書いたので読ませて頂きました。
妙に力が入ってますね〜。
私も言いたかったことが書いてあるのに感動しましたよ!
そしてまたまた笑ってしまった。(笑)
最後がとてもいいわぁ〜。
Posted by at 2005年04月15日 14:13
空さん、こんばんは。
私も占いは信じない方なんですよ。雑誌やテレビの星占いコーナーにも興味ないし。その時はたまたま他に読むモノがなくて(^^;) でも妙に当たってたんで気になって調べたら、動物占いは四柱推命っていう割と信憑性がある東洋の占いがもとになっているそうです。ネットで調べられるサイトもあるので話の種に試してみてはいかがですか?
それにしてもブログは本当に「おおかみ」向けのツールです。変わり者が思うさま個性を発揮できますからね。(笑)
 
Posted by えほんうるふ at 2005年04月15日 19:49
こんにちわ〜
おもしろいレビューですねぇ〜
すっかり楽しんで読んでしまいました・・

この絵本のことを書いている人いますね・・
きっといろいろなことを考えさせる絵本なのね。
表紙しか見たことないので今度読んでみたいと思いました。
えほんうるふさんのレビューが頭に浮かんで、ニマッとしそうだな!

Posted by bamu at 2005年04月17日 14:15
bamuさん、オトナノトモへようこそ!
私の妄想がかなり入った書評をお読み頂き恐縮です(^^;)。思いこみと深読み暴走がうちのレビューの持ち味だと思って笑って頂ければ幸いです。またぜひどうぞお立ち寄り下さいね。
Posted by えほんうるふ at 2005年04月18日 01:17
こんなところで、こんにちは。りんごです。

そう、「出る杭は打たれる」と言われるけれど、私は自分が打たれた記憶があまりないのです。私は十分周りとずれたことをしてきたんですが、打たれていることに気付かない鈍感な人間だったのかも知れません。それとも、なんか打ちにくーい出方をしていたのかもしれません。

けれどやっぱりこの記事に反応してしまうのは、聞こえにくい電話みたいに、忘れた記憶が必死に何かを語りかけているんでしょうね。
Posted by りんご at 2005年08月09日 23:54
>りんごさん

過去ログへのコメント・トラックバック大歓迎です!
「なんか打ちにくーい出方」に思わずニヤリとさせられました。でもそんな出方ができるのも、他人のおせっかいに鈍感になれるのも、貴重な才能の一つだと思います。どうぞこのまま我が道を邁進して下さいませ。
そんなりんごさんも、「おおかみ」だったりして、ね。
Posted by えほんうるふ at 2005年08月11日 00:55
ご無沙汰してます、りんごです。

ちょっと他の塾のブログばかり読んでいると
生徒数が多い方が偉いとか
教室の数が多い方が偉いとか
都会に行ったほうが偉いとか
有名校へ多く入れたほうが偉いとか
そんな競争に心が揺れるときがあります。

けれど私は誰とも競争するつもりはないのです。
私は人と違う商売をしているのですから。

心が揺れるとえほんうるふさんのブログに戻ってきます。

迷路で算数の計算ドリルをつくりますから。
迷路は絵本と同じ効果があります。
数字を使った絵本が私のつくる迷路です。

Posted by りんごおおかみ at 2005年08月18日 21:10
>りんごおおかみさん

こんばんは。
競争心を持つことは経営者として当然かつ必要なことなのでしょうが、私はこんなふうに思いました。
生徒数が多くて・教室の数が多くて・都会に進出していて・有名校進学実績が多いほどよい・・・こういった分かりやすいメジャー指向な価値基準をお持ちの親御さん&生徒さんが、果たしてりんごさんの指導方針に共鳴してくれるでしょうか? おそらく彼らは新しいメソッドの可能性に懸けるより、既に実績のあるオーソドックスな指導を希望するのではないでしょうか。

個人的には親として「偉い塾」よりも「子どもが行きたいと思える塾」の方がよほど貴重に思えます…。

暑い季節の頭脳労働は疲労が体内に残りがちです。どうぞご自愛下さい。
Posted by えほんうるふ at 2005年08月20日 00:40
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