2005年04月11日

愛される過食症

manmaru.jpgまんまるろびん
ジャック・ケント
ペンタン 1985-09


by G-Tools

自慢じゃないが、私はここ10年近く、ほぼ毎月
いや毎週ぐらいの頻度で「明日からダイエット」宣言を
している。明日からというところがミソだ。
ということは、それだけ長いこと毎月もしくは毎週
ダイエットに失敗しているということである。
我ながら往生際が悪い。いいかげん諦めたらどうなのか。
そうまでしてダイエットしてしまうのは、やはり現状の自分を
肯定できず、ありのままでいられないからなのだろう。

この絵本の主人公「まんまるろびん」は、その名の通り
ボールのようにまんまるに太った小鳥である。
生まれたときは小さくてやせっぽちだったろびんは
気持ちいいほどの食べっぷりでパクパクと食べまくり、
もう小鳥には見えないほど太ってしまう。体が重すぎて
飛べない彼は、枝から枝への飛び回る仲間を後目に、ひとり
ピョンピョンちょんちょんと跳ねて歩く。
やがて冬が来て、仲間の鳥たちは南の島へ飛び立ってしまう。
まんまるろびんも、彼なりに南の島へ出発する。といっても
彼らしくいつものようにピョンピョン跳んでは食べ食べ
マイペースに進み、あっという間に冬が来て、雪に埋もれる
雪に埋もれながらも懸命に歩き続けるろびんの姿がカワイイ
やらおかしいやら。
雪に覆われた道中には食べ物もなく、ただひたすら進むうちに
気が付くとすっかり痩せて空を飛べるようになったろびんは、
意気揚々と羽を広げ、休まず飛んで仲間(と食べ物)の待つ
南の島に辿り着く。そして早速今までの絶食生活を取り返す
かのようにパクパクもりもり食べて、見事にリバウンド
ここで私ならいつものように自己嫌悪で深く凹むところだが
ろびんは平然と、むしろ堂々としていて満足げだ。
好きなように食べ、好きなこと(食べること)だけを考え、
それ以外のことには頓着しない幸せな生き方を体現している。
仲間の小鳥たちもそんなまんまるろびんの生き様を淡々と受け入れ、
当たり前に接しているのがいい。
淡々とありのままの自分で生きているまんまるろびんの姿は
なんとも清々しく、1キロの違いに一喜一憂している自分が
馬鹿馬鹿しくなってくるのだった。
 


posted by えほんうるふ at 12:42 | Comment(4) | TrackBack(0) | 元気が出る絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
思わず笑ってしまいました。
だって、そんな絵本なんですかぁ〜?
(^^)
まぁいいです。
でも、ダイエットってアメリカでは深刻らしいですね。
肥満率を州ごとに「損益率」に換算してるらしいですよ。この前、ラジオでそんなことを言ってるのを聞きました。
ほどほどにしましょう!ナニゴトモ。
(や)
Posted by 山猫編集長 at 2005年04月12日 13:48
いやー、それはもう、私は深読みと思いこみの天才ですから(^^;)
まんまるろびんは素敵ですよ。ストレスが溜まると過食症が出る私には憧れの生き方です。最後にようやく南の島について落ち着いたと思ったらすぐに仲間に「もう帰るよ」って言われちゃって、まんまるろびんがため息をつくんですが、これ絶対自己嫌悪のため息じゃないと思うんですよねー。その健全さがうらやましい。
いやほんと、摂食障害で悩む皆さんにお勧めの絵本だわこれは。タイトル替えちゃおう。そこまで極端なタイプでなくても、ダイエットと食欲の狭間で悩む女性たちには何となく分かるんじゃないかな〜。
 
Posted by えほんうるふ at 2005年04月12日 15:06
わ、わらえませんでした・・・T-T
作者は、アメリカ人なのでしょうか?
深刻な肥満率が確か4割くらいなんですよね。
健康でいられる範囲内なら体型の違いなんて個性だ
くらいの捉え方でいいんだと思うのですが、
糖尿病予備軍決定という肥満は、やっぱり社会問題です。
ものすごい医療費がそこにとられてるし、
当人にとっては生死にかかわる問題だし。
作者の方の体型はどんななんだろうとか、
すごいいろんなことが頭をぐるぐるしました。
考えすぎ・・・?!
春になったし、エクササイズしなくっちゃ!
Posted by よっちゃん at 2005年04月14日 15:08
よっちゃん、こんばんは。オトナノトモへようこそ!
そっか、NYにいるよっちゃんは病的な肥満体を日常的に目にしていて深刻さを実感しているだけに笑えないということでしょうか。ちなみに作者のジャック・ケント氏はアイオワ生まれのアメリカ人です。
日本でいう「肥満」とアメリカでのそれはレベルが違いますよね。確かに病的になったら死にも直結するのでヤバイけれど、現状の日本ではたとえ過食症でも彼らほどの状態になることは少ないと思うのです。むしろ、若い女の子なんかだと身体的にはさほど問題がなくても「痩せたい、食べたい」「またこんなに食べてしまった」「過食症の私なんか、誰も愛してくれない」・・てな感じでどんどん精神が病んでいくパターンがありまして、私は経験者だけにそっちの方が心配なんです。そんな彼らにこの絵本を見せて「ほら、こんな生き方も悪くないよ、だからもっと自信を持って」って伝えられたらな、と思います。
Posted by えほんうるふ at 2005年04月14日 23:43
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