2005年03月26日

ほんとうに人間はいいものかしら

手ぶくろを買いに
新美 南吉
偕成社 1988-03


by G-Tools


美しい日本語には語る喜びがある。
冒頭、初めての雪に驚き、無邪気に戯れる狐の子の描写は
それだけで心が洗われるような気がする。
「お手々がちんちんする」なんて表現がサラっと出てくる
幼い狐の子の瑞々しい感性にハッとさせられ、また
この子狐を優しく見守る母狐の語りかけがどこまでも
愛情に満ちていて、語っている自分まで日本一の慈母
にでもなったような気がしてくるのだ。
(ところが、いざ一緒に手袋を買いに行こうという時
過去の恐ろしい思い出に足がすくんでしまった母狐は
その危険な場所に幼い子ども一人を送り込むという
暴挙に出るのだ。慈母なんだか鬼母なんだか(^^;))
後半、子守歌を歌う人間の母親の「声」が出てくるが
その親子の会話がまた泣かせる。
かつて日本の親子は家庭でもこんな美しい日本語で
何気ない会話をしていたのだろうか。

ちなみに新美南吉氏の名作「手袋を買ひに」は多くの
出版社から出ているが、この偕成社のものは仮名遣い
を改めるなど、作品を読みやすくするためにあえて
原文に手を入れてある。このおかげで旧仮名遣いや
改行のない長文に悩まされることなく、気持ちよく
声に出して読み進むことができる。
黒井健氏の触りたくなるようなフワッとした柔らかい
タッチの挿絵も素晴らしく、心温まる一冊である。
唯一この絵本の困るところは、幼い子どもに読み聞かせ
た後、「にんげんは、ほんとうはわるものなの?」
などど聞かれて答えに窮してしまうところだ(^^;)
posted by えほんうるふ at 08:23 | Comment(6) | TrackBack(1) | 声に出して読みたい絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。TBさせていただきました。
こちらのサイトにある絵本素敵
なものばかりですね。
きかんしゃちゅうちゅう、大好きでした。

最近絵本を選ぼうと思い本屋の前で悩みました。
参考にさせていただきますね!
Posted by yu-koda at 2005年06月10日 12:35
yu-kodaさん、こんにちは。
えっと、そちらからのリンクはついていましたが、トラックバックは送られていないようですが?
Posted by えほんうるふ at 2005年06月11日 13:20
そうなんです。。同じブログでないとだめなのでしょうか??
調べてみます。。すみません。。

Posted by yu-koda at 2005年06月13日 09:29
おそらくこれが原因かと・・・
違うかしら?
http://staff.ameblo.jp/entry-6028df6f07183fb0c210c00ed4afd3ab.html

むむむ。。

Posted by yu-koda at 2005年06月13日 09:36
>yu-kodaさん

うーん、うちはエキサイトではないので関係ないかと・・
アメブロからのトラックバックは、これまで何度も特に問題なく受け取っていますよ〜。
Posted by えほんうるふ at 2005年06月13日 11:50
説明不足でごめんなさい。
私のブログがエキサイトなんです。
以前はTB時できたかと思うのですが
エキサイトの仕様の変更でアメブロと互換が
なくなったのではないかと・・・
ライブドアは普通にできます。
(エキサイト同士でも・・)
色々とサービスが台頭しているので
難しいですね。。。
失礼いたしました。
Posted by yu-koda at 2005年06月13日 13:18
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