2011年01月29日

図書ガール入門

お友だちのほしかったルピナスさん (大型絵本)お友だちのほしかったルピナスさん (大型絵本)
ビネッテ・シュレーダー

岩波書店 1976-12-10

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2011年も早1ヶ月が経とうとしている。
昨年の目標「月1回以上のブログ更新」は、土壇場になって「月【平均】1回以上の更新」に下方修正してギリギリ達成した。これに気をよくして、今年は年始早々「月2回以上のブログ更新」を今年の目標の一つに立てた。
ああそれなのに、2月が押し迫った今、ようやく今年最初の記事を書いている自分。
早くも風前の灯火となった「今年の抱負」が、私のこの先一年の成長の無さを予言しているようで、なんとも情けない。残り3日の猶予を有効に使わねば・・。

さて、私が幼い頃は、絵本と言えば子供とその養育者が読むものであったが、近頃は子持ちどころか結婚すらしていないうら若き女子の皆さんにも絵本は大人気だ。
多少の偏見を承知で言わせて頂ければ、そんな絵本好き女子の中には、絵本そのものが好きというより、「カワイイ絵本が大好きなカワイイ私♡」を演出するための小道具として絵本を重用しているヒトが少なからずいるような気がする。
森にいそうな女子が森ガールなら、図書館や絵本カフェをテリトリーとして徘徊するのが図書ガール。往年の文学少女にちょいと可愛げと甘さをプラスしたら、あら不思議、草食系男子にピッタリの「怖くない知的女子キャラ」のできあがり。
そんな彼女達のマストアイテムはもちろん、街角インタビューに逢ったときに即答できる「お気に入りの絵本」。無論ここで大事なのは選書である。あくまでも自分のテイストにあった女子力増強アイテムとしての絵本なので、間違っても「じごくのそうべえ」だとか「うんこ!」だとかを挙げてはならぬ。

図書ガールには憧れるけど実は絵本なんて読んだこと無いという入門者は、とりあえずぐりとぐらとピーターラビットでも抑えておけばなんとかなる。でもそれだけだとあまりにも初心者バレバレなので、さらに自分の目指すセルフイメージや彼氏のタイプに合わせて作家を選べばOK。
手っ取り早く「分かってるカンジ」にしたければ、シルヴァスタインやバンサン、酒井駒子や荒井良二あたりからお好きな一冊を追加しておこう。

そして、上級図書ガールとして通なカンジを演出するのに欠かせないのは、絶版絵本である。
「この絵本、すっごくいいんですよー。もう絶版で手に入らないんですけどね♪」
この台詞をサラッと言えてこそ憧れの図書ガールである。

そこでようやく今日の絵本の紹介に入るわけだが、この「お友だちのほしかったルピナスさん」は1976年岩波書店発行のお洒落な絵本。もちろん、堂々の絶版(笑)。

私がこの絵本に出逢ったのもかれこれ30年近く昔のことだ。当時の私は当然ながら今よりもずっと可愛げがあり、可愛くてフワフワしたものやチマチマした雑貨が大好きな夢見るオリーブ少女(死語)だった。そして、この絵本が大好きだった。往年の図書ガールの女子心を鷲掴みにする何かがこの絵本にはあったのだ。

ストーリーは単純だ。いや、単純なぐらいで良いのだ。欠かせないのは柔らかいタッチと綺麗な色合いの絵と、おいしいものの描写と、切ないほどやさしい登場人物と、まわりくどいが心に残る言い回しと、ちょっと不思議ワールドな雰囲気である。
この絵本にはその全てが完璧に揃っていた。
今読んでも私の消えかかった女子心が疼くような切なさに、つい悶えてしまう名作である。

日本の出版界はどうなっているのか、こういう名作がどんどん絶版になってしまい、絵もストーリーももっと単純で分かりやすい絵本ばかりが売りやすく買われやすい傾向がますます顕著になってきている気がする。
大人も子供も、だんだん頭が固くなってきているような気がするのだ。つじつまの合わない話や曖昧な表現の絵の美しさを愛でる心の余裕が、少しずつ減っているように思えるのは私だけだろうか。
ちょっと寂しい気もするが、その一方で、私のように絵本好き歴の長い古い人間が集まって、知る人ぞ知る奥深い世界を懐かしみ語り合う楽しみもあるのだと思えば、それはそれで悪くないのかも知れない。


最後に、気になる女子がどうやら図書ガールらしい、という健気な男子諸君に絵本好きのおばちゃんからありがたいアドバイスを。
とりあえず、今売れている絵本を知りたかったら絵本ナビを熟読するべし。なんとネットで絵本の立ち読みからグッズ購入まで出来てしまう至れり尽くせりなサイトである。
特に、オトナ女子に人気のお洒落な絵本を知りたかったら、同サイトの「大人が楽しむ絵本」というコーナーがオススメである。図書ガールへのプレゼントに迷ったときには心強い。

さらに、もっとマニアックな上級図書ガールの彼女を唸らせたかったら、絶版絵本に詳しくなるべし。そんな時に便利なのが復刊ドットコムである。このサイトの「絵本」リクエスト一覧を見れば、絵本ファンが復刊を望む人気の絶版絵本の情報が一目瞭然である。
彼女の知らない名作をいち早く見つけて話題にするもよし、たまさかその絵本が復刊されたなら真っ先にプレゼントすれば、彼女のハートをゲットしたも同然であろう。
バレンタイン間近、男子諸君の健闘を祈る。

お気に召しましたら・・
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posted by えほんうるふ at 01:30 | Comment(6) | TrackBack(0) | うっとりする絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初コメントすみません。Twitterから来ました。
たぶん中級図書ガールです。
絵本会はとても興味を持っているのですが、
いつも予習ができず、ROMのみです。
「じごくのそうべえ」だとか「うんこ!」
で笑いましたw
ビギナーと上級者、両方の心をとらえる、
粋な情報ありがとうございました。
Posted by ぴあ at 2011年01月29日 09:09
>ぴあさん

初めまして♪
Twitterからいらした方にコメント頂けるなんてとっても嬉しいです!!
いや、ツイッター経由で見に来て下さる方はたくさんいるんですけど、皆さんツイッターでコメント下さるんですよねー。
(自分もツイッター経由で誰かのブログ見に行くとそうなりがちなので、その気持ちはよく分かるんですが…笑)

大人絵本会は予習不要ですのでどうぞ気が向いたときに乱入して下さい。
お題本から話がどんどん脱線して単なる世間話になってることも多いですし、作品研究のような堅苦しさは皆無です。
現役の方はもちろん、元図書ガール図書ボーイの憩いの場としてお気軽にご利用下さいませ〜m(_ _)m
Posted by えほんうるふ at 2011年01月29日 10:32
ワタクシもTwitterから^^
絵本を抱えた怖いおばさんUです。
同じく次回は大人絵本会に参加させていただきたく思ってます。

図書ガール笑った〜。
アリですね。
「へそもち」あたり抱えていたらどうアプローチすればよいでしょう?

Posted by linda at 2011年01月29日 10:48
>lindaさん

わー嬉しい!!ようこそオトナノトモへ。
お茶も出ませんがゆっくりしてって下さい。

「へそもち」に好適な対抗馬としては、やっぱり「だいくとおにろく」あたりですかねぇ。
「おへそがえるごん」なら確実にKOでしょう。(意味不明w)

大人絵本会で再会できるのを楽しみしています♪
Posted by えほんうるふ at 2011年01月29日 11:11
さすがのセンスです!ヽ( ´ー`)ノ

このままどこぞの絵本雑誌か書店の特設コーナーにでも掲示できそうな「ウマい」文章。

よし。明日も保育園で図書ガール・図書ボーイ予備軍たちを青田刈りだ〜(意味不明
Posted by おへそのごま at 2011年01月29日 14:10
>おへそのごまさん

わーい今回はツイッターからコメント大収穫だ♪

未来の図書ガール図書ボーイを育てるべく、これからも頑張ってください!
陰に日向に(?)応援させていただきます♪

Posted by えほんうるふ at 2011年01月29日 16:10
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