2010年05月16日

遠足の楽しみ

エンソくん きしゃにのる(こどものとも絵本)エンソくん きしゃにのる(こどものとも絵本)

福音館書店 1990-09-15
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今年の春は天候がメチャクチャで、冬から突然初夏になるような激しい寒暖の差に身体が追いつかなかった。
それでも、5月も半ばに入りようやく例年並みの気温となって、町を歩けば新緑が目にまぶしい。
さて、新緑の季節といえば、遠足シーズンである。
遠足のしおりというものは、どうしてあんなにワクワクするのだろう。
確認するまでもないのに、持ち物リストを見る度に何だか嬉しくなってしまう、お弁当・水筒・おやつ(は、300円まで?)の遠足3大アイテム。とにかく、コドモの遠足はこれさえ忘れなければ何とかなる。

とにかく、食べものを持ってどこかへ出かける、というシチュエーションは心浮き立つものだ。
そのままどこへでも行ってしまえそうな安心感。
それに、来るべき冒険に備えている感じが嬉しくて、なんだか勇気が出る。
一番安心の初心者コースは、親に手作りのものを持たせてもらい、送り出してもらうこと。
桃太郎のキビ団子はこのパターン。お婆のキビ団子が日本一で百人力なのは自明の理なのだ。

もう少し成長すると、その食べ物を自分で見繕って用意することもできるようになる。
これがまた楽しい。
小学校低学年の頃、時々仲良しの友達と二人で遠足ごっこをして遊んだ。
家にあったお菓子やパンなどをこっそりビニール袋に入れて持ち出し、近所の畑の隅にあった茂みに潜り込んで食べた。
ただそれだけの冒険だったが、何故か誇らしいような、いっちょまえ気分になれたものだ。
そういえば、映画「天空の城ラピュタ」では、主人公パズーはしっかり自分で作ったお弁当を持って家を出ていた。
あのシーンを見て、さすが宮崎駿監督、分かってるなぁっ!と嬉しく思ったのを覚えている。

さらに上級者ともなると、予め用意するのではなく現地調達という手が使えるようになる。
これはもう、全てのコドモが憧れるオトナ行動の最たるモノではないかと思う。
一人で遠足、しかも汽車に乗って、自分で駅弁を買って食べるなんて!
そんな子どもの夢と憧れが余すところ無く描かれた名作が、今日の絵本「エンソくん きしゃにのる」なのである。

何しろエンソくんはしっかり者なのだ。
切符だって自分で買うし、自由席の座席だってちゃんと自分で確保するし、ボックスシートで相席になった見知らぬ大人とも仲良くなって、一期一会を楽しむ余裕すら漂わす。
しかも、途中からの旅の友は羊の群れ。ワラワラと乗り込んでくる羊達に驚くでもなく、妙に嬉しそうなエンソくん。途中で腹が減ったと言えば駅弁を買い、郷には入れば郷に従えとばかり、羊の群れに埋もれそうになりながら平然と車内で寝食を共にする。
推定年齢若干5,6歳にして何その旅の達人ぶり。あんたはミニ沢木耕太郎か。

極めつけは、エンソくんが買った駅弁の中味である。

「こんとあき」のあげどん弁当モドキぐらいなら喜んで作る私も、さすがにエンソくん弁当は実物を想像すると二の足を踏んでしまい、ついぞ実現しないまま卒園させてしまった。
今思うと、必ずや園で語り継がれる伝説の弁当になり得ただろうに、もったいないことをした。
いつか、息子が一人で列車の旅に出るときに、作ってやろうと思う。
塩ゆでとうもろこしをぎっしり詰めた弁当箱のど真ん中に、ラム肉ミンチ入りのヒツジ型巨大コロッケを配置した、紛れもないエンソくん弁当を。

お気に召しましたら・・
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posted by えほんうるふ at 00:21 | Comment(2) | TrackBack(0) | 嬉しくなる絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
エンソ君弁当ってそんななのですか〜〜〜!
驚きと感動が入り交じってしまいました。
今日エスカルゴの話をしていて、
私は食べるけど、蝸牛は観察するのも好き。
という、なんだか共通のものを感じました。
エンソ君。読まねば。(笑)
Posted by mine at 2010年05月30日 00:57
>mineさん

是非読んでみてください^^
スズキコージさんの絵本なら、エスカルゴ弁当が出てきても驚かないなぁ。
蝸牛お好きならレオ・レオニの「せかいいち おおきな うち」がおすすめです♪

Posted by えほんうるふ at 2010年05月30日 12:24
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