2010年04月03日

大人絵本会はじめました

私は前回のエントリーでTwitterを見直した話をしたが、今になってそのデメリットが分かってきた。ブログを更新する気力が無くなるのである。
正確に言うと、一つのことをしつこく熟考する根気が保てなくなる。
Twitterでは、気になる話題を見つけたらその場で飛びついてなんらかのアクションをする必要がある。おかげで情報に対する反射神経が鍛えられるのはいいのだが、逆にじっくり腰を据えて一つの物事を考え、時間をかけて自分なりの結論をまとめる作業がすごく億劫になるのである。

ところがどっこい、Twitter利用者でブログもやっている人の中には、その両方を実に淡々と、あるいはしっかりと両立させている人が少なくない。本当に尊敬してしまう。おそらくブログの文章に対するスタンスも違うのだろう。私の場合、ブログのエントリーは日記ではなく、一冊の絵本を元に任意のテーマについての自分の考えを総括するつもりで書いているため、どうしても推敲に時間がかかる。もちろん能力のある人々は当たり前のように完成度の高い文章を日々更新してみせるのだが、残念ながら私にはそこまでの知性も生産能力も無い・・。
そんなこんなで数ヶ月に1回の更新がせいぜいだったオトナノトモなので、Twitterとの連動などハナから考えていなかったのだが、折角Twitterで出会った多くの尊敬すべき人々を見習って、私ももう少し進歩できないものだろうか?

というわけで、今日は私がTwitterで始めた大人絵本会という絵本の読書会の話を伝えよう。

そもそも私が読書会というものに興味を持ったのは、1ヶ月ほど前に友人に誘われて参加したある講演会がきっかけだ。
それは日本女子大で開催された国立教育政策研究所の有元秀文氏による「国際型(PISA型)読解力が育つブッククラブ入門」というもので、講演会というよりワークショップのような参加型の講義だった。氏は読書会におけるbackground knowledgeの重要性を説かれていたが、私のような素人にもなるほどと思わせる明快な論説と絵本を使った演習の面白さに私は夢中になった。
その中で欧米では一般家庭にまで浸透しているという読書会文化の話があり、興味を惹かれた。
有元氏による映画「ジェイン・オースティンの読書会」の解説もまた大変面白く、帰宅するなり自宅のHDDレコーダに録画してあったその映画を観た私はもう居ても立ってもいられなくなり、早速mixiで読書会のコミュニティを探しまくったのだった。

ところがmixiに読書会コミュは数あれどその多くはビジネス書や古典文学がメインとなるもので、読書会というより勉強会、あるいは異業種交流会の趣を呈していた。楽しむはずがつい頑張ってしまう勤勉な国民性を垣間見たような気がして、つくづく我々日本人は真面目だなぁと感心したものの、純粋に趣味として楽しみたいだけの私はお呼びでない気もして何だか寂しかった。
そんな中、たまたま直近のオフ会で児童書を取り上げている読書会コミュを見つけたので、早速参加してみた。が、やはり需要がないのか参加人数も少なく読書会というよりお茶会の雰囲気だった。それはそれで楽しい時間ではあったが、私がやりたいと思っていることとは少しイメージが違っていた。
ならばいっそ自分で作るか?と、またコミュを自分で起ち上げることも考えたのだが・・・何となく気が進まない。今までのmixiを通じたオフ会の経験から、自分が主催者となって絵本の読書会オフを企画したところで、自分が動ける平日の昼間に集えるメンバーは限られ、まして題材が絵本となるとさらに関心層は薄くなり、結局は単なる和やかなママ友おしゃべり会になる可能性が容易に想像できたからだ。
やはり私は(ちょうどこのブログのように)自分がこだわりを持って偏愛している絵本のひとつひとつについて、お互いのバックグラウンドナレッジやら人生観やらを絡めて泥臭くガッツリ語り合う、そんな場が欲しいのだ!思いは募れど、どうしたらいいのか分からなかった。

丁度その頃、たまたま友人のブログでTwitterのことが話題に登り、流行モノにはまず飛びつかない私があえてその風潮に疑問を感じたことで、批判するにはまず相手を知らねばと挑戦してみることになった。それからの話は前回のエントリーに書いたとおりである。

Twitterのすごいところは、誰かが何気なく呟いた夢がその特性とマッチした場合、そのつぶやきが無数の人々への呼びかけとなって、本当にあっという間に実現してしまうところだ。「Twitterで夢を叶える」なんて言葉はどうせまた流行を扇動したいマスコミのプロパガンダだろうと思っていたのに、本当にそうなってしまったことに自分で驚いている。

それは私がTwitterを始めて20日目のある日、何気なく「絵本の読書会やりたいなー。大人だけで。」とつぶやいたのが始まりだった。
すぐに絵本に興味を持つフォロワー数名が反応してくれて、その反応がそのまたフォロワーに伝わって、あっという間にたくさんの「伝えたい人」に伝わった。
そして私の何気ないつぶやきからわずか2日後に、最初の「大人絵本会」が開催されたのだった。
お題は「100万回生きたねこ」。初っぱなからヘビーな絵本を選んでしまったが、延べ20人もの人が発言者として参加してくれ、私の予想と期待を上回る濃い語りが展開された。そのとにかく楽しくてあっという間に過ぎ去った2時間は、大げさに言えばまさに私がこんな風に絵本の読書会をやりたい!と夢見ていた内容そのものだった。あまりにもあっさり実現してしまったが、もし私がこの読書会を実際に会場を設定して招集したところで、この20人は到底集まらない。Twitter様々である。

たった140文字で何が語れるかと思うだろうが、これが結構語れるのである。相手の考えも凝縮されて届くので素早く飲み込むことが出来るし、こちらも伝えたい思いのモヤモヤを削って削って最後まで残ったエッセンスだけを伝えることになるので、相手に趣旨が伝わりやすい。
読書会開催中は入ってくる情報の読解と取捨選択、さらにそれに対する自分の考えの要約を分刻みで繰り返すことになるので、回転数の鈍った私の頭はクタクタになる。だがそれは決して苦痛ではなく、むしろ終わった後にはスポーツのような爽快感すら感じる。いずれにせよTwitterを使うことは国語力の低下を招くのではと考えていた自分の浅慮を猛省している。
もちろん、私は一応主催者なのでできるだけ全ての発信に答えようと躍起になった挙げ句毎度こういう状態になるのだが、ただ話の流れをのんびり眺めているだけのROM参加者もいるだろうし、特に共感できる発言に対してピンポイントに一言だけ参加することも出来る。OPENな企画に誰もが自分なりの関わり方で無理なく参加できるのが素晴らしいと思う。

ちなみに私の最初のつぶやきから大人絵本会が誕生するまで交信の流れと、既に終了した2回の大人絵本会の様子はそれぞれ以下のサイトにまとめてある。大人絵本会の指定タグの付いた関連発言を抽出し、時間経過に沿って並び替えたものだ。

大人絵本会できるかな
第1回大人絵本会「100万回生きたねこ」佐野洋子
第2回大人絵本会「おおきな木」シェル・シルヴァスタイン

Twitterを使ったことが無い人も、アカウントを取得したものの今ひとつ面白みが分からなかった人も、これらを読めばTwitterの印象が少しは変わるかも知れない。読んでみてもし興味を持ったなら、是非今後の大人絵本会に気軽に参加してみて欲しい。

※直近の開催予告など最新情報は、こちら(当ブログのトップページ)に常時掲載します。


お気に召しましたら・・
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posted by えほんうるふ at 22:11 | Comment(6) | TrackBack(0) | 大人絵本会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
最初のつぶやきから開催まで2日間だったんですね!このスピード感がすごいですよね。

絵本会、確かに脳の反射神経が鍛えられます。「主催者のえほんうるふさんは大変だろうなー」と思いながら毎回、好き勝手な発言をさせていただいています。

ツイッターもブログも便利なツールだと思いますがそれぞれに特性がありますよね。この便利なツールをどう使いこなしていくか、僕も自分のスタイルを徐々に確立していこうと試行錯誤している段階です。

今後ともよろしくお願いします。
Posted by sigeki at 2010年04月04日 23:28
>sigekiさん

コメントありがとうございます(*^_^*)
ツイッターとブログは頭の中で使う筋肉が違うようなので、偏りなく鍛えられたらいいなぁと思ってます。
私の場合、ブログはすごーくエネルギーを使うのでつい後まわしにしちゃうんですが、皆さんを見習ってもうちょっと頑張りたいです^^

大人絵本会もお楽しみ頂けているようで嬉しいです! 次回もどうぞマイペースに参加してくださいね。
Posted by えほんうるふ at 2010年04月05日 08:56
えほんうるふさん

私もびっくりの大人絵本会。

学生時代ゼミで絵本のこと、あれこれ言い合っていたけど、せいぜい10人以内のゼミ生。
それに教授がいて、最後はまとめてくれて…

そういう中で、それぞれ年齢も立場も性別も住んでる場所も違うのに、ひとつの絵本でこんなに熱く語れるなんてと驚いています。

絵本学会のラウンドテーブルでもここまで活発な意見はでないかも〜専門家がいるからこんなこと言えないっていう雰囲気になっちゃうしね。

ということで、本当に偶然の出会いに感謝しています。またリアル絵本会でもご一緒できそうで楽しみです♪

よろしくお願いします☆
Posted by みどり(greenkako) at 2010年04月14日 12:24
>みどりさん

なるほど〜
同じ絵本を語るのでも学会となれば、確かにみんな構えてしまってこんな活発なやりとりにはならないのでしょうね。
でも、そういう世界のお話を聞けるみどりさんと知り合えたことは、私にとって、とても大きな喜びです。

リアル大人絵本会でお会いできるのを本当に楽しみにしています。
どうぞ今後もよろしくお願いしますm(_ _)m
Posted by えほんうるふ at 2010年04月15日 10:41
こんにちは〜。 GWいかがお過ごしでしょうか?
ブログデザイン一緒の休肝日です〜(笑)

妻から聞いたのですが徳永英明のブログも同じデザインだそうですよ〜(*^^)v 
Posted by 休肝日 at 2010年05月01日 08:14
>休肝日さん

あっという間に連休明けですね。
楽しい休日を過ごされましたか?

徳永さんのブログも一緒なんですか。芸能人はアメブロ使ってるイメージ強かったのでseesaaの人がいることにびっくりです。
Posted by えほんうるふ at 2010年05月06日 10:08
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