2009年10月19日

特異体質転じて特技とす

へっこきあねさ (てのひらむかしばなし)
へっこきあねさ (てのひらむかしばなし)荒井 良二

岩波書店 2004-09
おすすめ平均 star
star大爆笑
star一家に一冊、ストレス発散!!
star「アハハ」と笑いたいときに。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

小さい頃から割と作文は得意な方だった。
というか、自分の気持ちを表現するのに、口に出すより文章に表す方が性に合っていた。
小学校高学年になって日記を付けるようになるとその傾向はますます顕著になり、気がつくと自分の喜怒哀楽や日々の出来事など、一日の終わりに文章化せずには気が済まないまでになった。
とにかく毎日何かしら雑文を書いているせいか下手な鉄砲もなんとかで、読書感想文やら作文課題で佳作をもらう程度の小器用さも身につけたが、利点と言えばそれぐらいだった。

残念ながら、その数少ない我が身の能力を昇華させ物書きを目指す程の才覚も根性も無い私にとって、文章を書くということは食事や排泄と同様に単なる生理現象でしかない。それどころか、感情をスムーズに代謝させるのにいちいち文章化というプロセスが必要という、ややこしい自分の体質にうんざりすることもしばしばだ。何しろちょっとでも心に響くことがあった日は、どんなに眠くてミミズがのたくったような字になろうとも日記に記さずには落ち着いて眠れないのだから、我ながら滑稽な人間である。

それでも、「感情を文章化せずにはいられない」体質なんてのは対外的にいくらでもごまかしが効くので生活上の実害はあまりない。これが「全ての感情を大声でぶちまけずにはいられない」とか「常に本心と真逆のことを口走ってしまう」とかだったら本人及び周囲の人間の苦悩はいかばかりか。

ちなみに今日の絵本、「へっこきあねさ」のヒロインあねさは、日常的に超弩級の爆風おならを出さずにはいられない、という常識で考えたら凄まじい体質的ハンデを負った人である。うら若き女性の身でそんな逃れようのない下ネタ人生を歩む羽目になるとは相当に悲惨な話であるが、彼女はそんな我が身を嘆きもせず、むしろこの特異体質を逆手にとって大いに実生活に役立ててしまうという強者なのである。
私はこの絵本を読む度に、素晴らしい!!やはり女たるモノこれぐらいの逞しさが無くてはいかん!と大いに励まされるのである。

もともと日本の民話であり子供受け要素もばっちりなこの話は複数社から出版されているが、私はやはり荒井良二氏による絵が素晴らしすぎるこの一冊を猛烈に推したい。何より特筆すべきはあねさの表情である。最初のうちこそ「ああっ出ますもう出ます、ごめんなさい私も辛いんです、でもやっぱり出させていただきます!!」とばかり、切ない表情で額に汗するあねさだが、周囲がその屁こきの妙技の威力を思い知るにつれ段々と落ち着いた涼しい表情になっていく。そして最後のページで思わせぶりにこちらにお尻を突き出すあねさの姿にはもはや勝者の余裕すら漂い、こうなると完全に彼女は私の目標の人である。


さて、あねさの屁こき同様、恥をかきこそすれ到底腹の足しにはならぬと思えた私の中途半端な文章力だが、実はこれを立派な実益につなげる方法をつい最近私は発見したのである。

2週間ほど前、ふとしたきっかけでネット上に膨大な数の懸賞情報があることに気がついた私は、ものは試しと片っ端から応募してみることにしたのだ。
何しろ1件に付き数秒〜数分で応募できてしまう手軽さから、私は一日10件を目標に手当たり次第にせっせと応募フォームを送り続けた。
そして2週間が経った今、なんと私は既に5件もの懸賞に当選したのである。それも高級食材やら貴金属やら、いずれも実際に物が我が家に届くまで自分でも信じられない程の立派な品々であった。

我ながらこれには驚いた。自慢じゃないがこれまでの人生で自分が格別クジ運の良い人間だと思ったことは一度もない。よもや何かの陰謀ではあるまいかと不安になりよくよく考えてみると、私が当選した懸賞は全て、商品発送先の情報以外に何らかのコメント記入が必須のものばかりだということに気がついた。
雑文ならまかせろとばかり、問われるままにサイト評価やら賞品への意見やら身近で笑えたエピソード等を書き込んで応募していたのだが、そういえば確かにそれぞれの当選告知メールには、担当者から私のコメントへの丁寧な感想が書き添えられていた。

と言うことは、これぞついに私の生理的駄文作成能力が類いまれな特殊技能として花開き、何千人ものライバルを蹴散らして見事当選を勝ち取る強力な武器として活躍の場を得たという証拠ではなかろうか?! さすれば半年後の私は懸賞クイーンとなって贅沢三昧な生活を送っているに違いない!!
・・と、ふくらむ妄想につい頬がゆるんでしまうのだが、やはり思い上がりだろうか。


お気に召しましたら・・
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
posted by えほんうるふ at 22:36 | Comment(10) | TrackBack(0) | 元気が出る絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
えほんうるふさんの文、私、好きですよ。
分析も好き。
本の内容に関しては、おもしろそうだなー、って思いました。

それはともかく。

今度、その戦利品たち、ぜひ見せてくださいね!
Posted by きーちゃん at 2009年10月20日 05:12
おめでとうございます!!
よく書く人の文章だなって思いながら読んでます。
さすがです。

感情をうまく文に表現できなくて、
日記を書きづらくなっています。
娘がお話ばっかり書いていて
やることをやらないので腹立たしく
思っていました。
昨日はノートパソコンをとりあげてしまいました。
Posted by ねこ at 2009年10月20日 09:20
>きーちゃん

あはは。それはともかく!!って思ってるのにその「それ」をちゃんと先に述べるところが礼儀正しいきーちゃんらしいですね(笑)

まあ食品関係は届いたそばから食べてるので残ってませんが、カタチあるものは次回会った時にでもお見せしましょう。
目利きのきーちゃんには「なーんだ、これか〜」と思われる可能性大ですが。
Posted by えほんうるふ at 2009年10月20日 14:52
>ねこさん

お話ばっかり書いてるお嬢さん、いいじゃないですか。好きこそ物の上手なれ、ですよ♪
私は事実をお話仕立てに脚色することはあっても、全くのフィクションを自力で編み出す才能は皆無なので、創造力のあるお嬢さんがうらやましいです。
Posted by えほんうるふ at 2009年10月20日 14:59
すごいですね〜!さすが!!あっぱれ×5!

〈感情を文章化せずにいられない性分〉とは恐れ入りました。そこにえほんうるふさんの今にいたる原点があったのですね〜。

 私も子どものころ内向的で話すのは苦手、文章を読んだり書いたりするのだけは得意な子でした。ただ大人になって、先生稼業が板についてからは人前で話すのがうまいといわれるようになり、それに反比例して?文章がヘタになったような気がします。「話す」といっても人前で講義したりスピーチするのはなんとかなるんですが、相手の話を聞きながら会話するのは今でも苦手なんです(笑)結局、自己主張せずにはいられない身勝手なやつだったんですね。

 それはそうと、私もこのおはなし大好きですよ。あねさんの明るさやおおらかさに救われるような気がします。
Posted by ぴぐもん at 2009年11月11日 13:52
>ぴぐもんさん

人前で話すのが得意だなんて、素晴らしいじゃないですか!是非とも爪の垢を分けていただきたいです(^^;)

でも、確かに話し上手よりさらに難しいのは聞き上手になることかも知れませんね。
昔エンデの「モモ」を読んで、よし、学歴よりも美貌よりも身につけるべきは「聞く技術」だ!と心に刻んだはずが、その後数十年経っても全く身についていないという事実に愕然とする今日この頃(汗)
Posted by えほんうるふ at 2009年11月13日 23:24
駄文だなんてとんでもない!雑文だなんて!
そんじょそこらの雑誌を捲るより、ここの過去記事を捲った方がよっぽど笑えるし楽しい!
「屁っこきあねさ」を知らなかった私。
ぜひ手に取りたいと心から思いました。
それでもって、女はたくましいとはまさにそのこと。
うんうん、溢れる才能はどんどん使うべし。
なんだかどんどん周りまで幸せになれそうですね〜〜♪
良い肩慣らしが出来た頃にはきっと物書きのお仕事が舞い込みそう〜〜。
一緒に絵本も作ってみたい!
私もがんばるぞ〜〜〜〜!!!!!(* ̄0 ̄*)ノ オォー!!
Posted by mine at 2009年11月17日 01:49
>mineさん

いつもいつも、過分なお褒めの言葉をありがとうございます。
でも、そんなふうに手放しで褒めてくださるのはmineさんぐらいですよ(^^;)

子供は褒めて育てろと言いますが、オトナだって褒められればやっぱり嬉しい。
嬉しいと、もうちょっと頑張ろうっか、と思える。
人を育てるって、そういう単純な話なんですね。

私もいつかmineさんと絵本が作れたらいいなぁ。
描き甲斐のある、楽しい夢ですね♪
Posted by えほんうるふ at 2009年11月19日 21:48
おはようございます!
今朝、左足のスネがツッテ目覚めました(爆)
右足試したけど、、効いたような?効かないような?(笑)
良いお年をお迎え下さいm(_ _)m
Posted by Irie at 2009年12月30日 09:48
>irieさん

早速来ましたか!!
そりゃ1回じゃ分かんないかもですよ。
気がついたときに何度でもやってみてください。
きっと感動の瞬間がアナタにも・・(笑)

ほら、他の読者にはなんのことやら(爆)

何はともあれ、良いお年を!&来年もどうぞよろしくです♪
Posted by えほんうるふ at 2009年12月30日 18:09
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック