2006年01月14日

一緒にお茶を

4871101045変なお茶会
佐々木 マキ
絵本館 2000

by G-Tools

ネット上のコミュニティのオフ会というものに時々参加するのだが、普段同じテーマについて語り合って身近に感じている仲間でも、実際に一堂に会してみると驚くほど表向きの属性がバラバラだったりするのがとても面白い。逆に、まるで厳密な入会規定があるかのように見た目もおそらくキャラも近い属性の人々が集まるパターンもあり、休日の秋葉原などを歩くといかにもそれらしき「オフ会流れ」のグループを見かけたりする。「同人」とはよく言ったものだ。
 
数年前、あるサークルのオフ会に参加した時もとても面白かった。見るからにお堅い公務員タイプのサラリーマン、中学生ぐらいに見える専門学校生、登山が趣味のアウトドア写真家、夜の歌舞伎町で蝶になるショーダンサー、年齢職業不詳の業界人、そしてごく平凡な主婦(に見えるであろう私)…などなど、一見実生活上になんの接点もなさそうな人間が集い、意味不明なハンドルネームで親しげに呼び合って和気藹々と盛り上がっている様は、端から見たらさぞかしアヤシイ集団に見えたことだろう。
ただ、人は見かけによらないというが、その人が語る言葉や文章というものは案外如実にその人となりを表すようで、目に見える要素ではイメージとのギャップに驚いたとしても、一人一人と向き合って話してみると「おお、やはりいつもの○○さんだ」と納得し、ホッとするのが常だ。この安心感を持ってイメージのギャップを楽しめるのがオフ会の醍醐味だと私は思っている。

ちなみに読者の皆さんは、どんな「えほんうるふ」をイメージして今この文章を読んでいるのだろう…(汗)プロフィール記事をアップしたせいか、その後「男性だと思っていた」という人は現れなくなったが、相変わらず「鋭い」だの「キレのある」などといった評を頂くことが多く、我が身を振り返っては赤面の日々である。私の実像を知る人にとってはまたとないネタになっているに違いない。
ともあれ、今後私と対面する予定のない方はお好みの美女・才媛を想像してお楽しみ下さい。

さて、今日の絵本「変なお茶会」では、年に一度の招待状を受け取ったメンバーが万難を排して遠路はるばる某所へと集い、知る人ぞ知る世紀のイベントに立ち会い、それを楽しむひとときを共有する。集まるメンバーのキャラクターも珍妙なら各々の移動手段も趣向が凝らされ、なによりもそれだけの時間と労力をかけた目的がただ一杯のココアを共に愉しむ為、というのが素晴らしく粋なのである。お茶会そのもの以上にそこに至る過程や付随するモロモロを愉しむというオトナの余裕が感じられ、素直に「いいなぁ〜」と思うのだ。お茶会のテーブルについたメンバー一同を見渡すとやはり社会的な属性はてんでバラバラで、いったいどんな縁でつながった仲間なのだろうと考えると何とも怪しげでワクワクする。ひょっとするとメンバーしか知らない入会条件に基づき、世間一般にはその存在すら知られていないプチ秘密結社なのかも知れない。だいたい招待状の差出人すら最後まで不明なのだからますますアヤシイ。年に一度の超自然現象の発生時間を予測し、それぞれ移動距離も手段も異なるメンバーの一人一人に絶妙なタイミングで招待状を送るなんて、考えたらものすごいことをする組織である。それなのに、目的を達したら「それじゃあまた来年」とあっさり別れてしまうところがまたいい。あまりにもあっさりしていて実はお茶会は表向きの名目で真の目的は他にあったのではと勘ぐってしまうほどだ。本当にただ一杯のココアの為だけに集まったのだとしたら、なんと贅沢なお茶会であろうか。これぞまさしく遊びゴコロを持つオトナならではの粋狂というものだ。

私にもいつか、招待状は届くだろうか。いや、届くのを待つよりもいっそ、私から送ろうか。

先日、下北沢で小さなカフェに入った。夫婦二人でやっているらしいそのカフェは、心地よい音楽といい感じにへたった座り心地の良いソファと気取らない食事が用意されていて、まるで誰かの家にふらっと立ち寄ったような寛いだ空気が流れていた。帰り道、夫と二人で将来あんなカフェをやるのもいいねとたわいもない夢を語り合った。
知る人ぞ知る、オトナのための絵本カフェ。果たしてお客は来るのだろうか。

いつか、オトナノトモに集う粋なオトナの皆さんと、ささやかなお茶会を共にできたら面白いだろうと思う。天然ものの湧泉ココアはちょっと無理だが、純ココア粉と新鮮なミルクで大鍋一杯にビターなココアを練って、好き勝手にアレンジして飲んでもらうなんてのも面白そうだ。会って何を語るかなんてどうでもよくて、ただ集うこと自体が楽しみなのだ。その一杯のお茶のために集う過程を楽しめる方ならどなたでも大歓迎。
では手始めに、画面の前のアナタと、淹れたてのココアで乾杯♪


【えほんうるふお気に入りの関連記事】
・天然ココアの洪水で溺れた/hyo-tanさんの招待状が届かない理由、に目からウロコの記事

posted by えほんうるふ at 14:25 | Comment(16) | TrackBack(1) | 怪しい絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
オフ会、面白いですよね〜。
私は某所では男性風の名前を名乗っているので、びっくりしてもらえるのが快感です。(笑)
合同オフ会をすると、サークルごとに雰囲気が違うので、かなり感心します。類は友を呼ぶはまさしく。
複数のサークルに属している人は、ちゃんと両方の雰囲気を持っているんですよ〜。

その下北沢のカフェ、教えてください。
下北にはなかなか行けないのですが、出掛ける折には是非。
Posted by hyo-tan at 2006年01月14日 17:30
>hyo-tanさん

全然人のこと言えませんが、そういえばhyo-tanさんの文章も確かに性別不詳ですね(^^;)

下北のカフェは「TERRAPIN(テラピン)」というお店です。偶然見つけてフラッと入ったのですが、当たりでした。先ほどネットで検索してみたら、結構ファンの多い店のようです。あと、夫婦二人でやっているらしいというのは私の思いこみでした…。
Posted by えほんうるふ at 2006年01月15日 10:37
オフ会(わたしのパソでは「お深い」と変換されます)、自慢ではありませんが、経験ございません。東京まで来い!と呼ばれたことがありますが、ヤダ!と丁重にお断りしました。文字ズラだけつきあわせている人と会うのですから、それはそれはドキドキワクワクの体験なのだろうなぁと思います。

「そんなことして得になるの?」とか「意味はあるの?」とか聞いてくる、なんでも損得勘定回路で考える無粋な人は多いですが、わたし、とても苦手です。傍目からどう見えようと、本人は喜んでいるのですから、放っておいてほしいのです。大人ですから、迷惑はかけません。
Posted by enzian at 2006年01月15日 17:41
>enzianさん

私は意外と人間関係に恵まれているのか単に鈍感なのか分かりませんが、そういう無粋な輩に直接不快な思いをさせられたことがないんです。まあ、自分の物差ししか目に入らない人なんて「可哀想なヤツ」だと思ってスルーするに限りますね。

ところでちゃんと公約を守ってるじゃないですか(笑)
ま、私は決して東京まで呼びつけたりしませんし、そちらへ押しかけようなんて気もありませんから安心して字面だけ仲良くしていただければ…フッフッフ
Posted by えほんうるふ at 2006年01月15日 23:10
はじめまして。「男の子にオススメの本」管理人のtomberと申します。お立ち寄りありがとうございました。

オフ会とまったく関係ないところで恐縮ですが、佐々木マキさんの絵本、独特の雰囲気があって読んでいておもしろいですね。新しく出た「また ぶたのたね」も手に入れて息子に読んでやろうと思ってます。

今後ともよろしくお願いします。
Posted by tomber at 2006年01月16日 00:41
こんにちは。えほんうるふさん。
お久しぶりです。
今年初ですね。
昨年は大変お世話になりました。
また今年もどうぞよろしくお願いします。

「変なお茶会」私は好きです。
この変な人の集まりにはぜひ参加したい。
そして天然ココアを味わってみたいと思うのです。

ところでえほんうるふさんに一言物申したいことがありますので、メールアドレスを入れておきます。もしよろしかったらメールをください。
Posted by at 2006年01月16日 11:44
>tomberさん

ようこそオトナノトモへ!ご足労頂き感謝です♪
いえ、オフ会の話の方が脱線なので気にしないでください(^^;)
コメントの応酬で絵本からどんどん話が外れるのがウチのブログの特徴でもあります。どうぞお気軽にご参加下さい。

当ブログの読者様はなぜか男性比率がけっこう高いようです。みなさん魅力的な方ですのでお暇な時にリンク先などのぞいてみてくださいね。ちなみに「ぶたのたね」シリーズ出版元の絵本館の有川編集長も素敵な「絵本を熱く語るオトナの男性」だと思います。

勝手ながら早速tomberさんのブログをリンクさせていただきましたm(_ _)m。今後ともどうぞよろしくお願いします。
Posted by えほんうるふ at 2006年01月16日 13:24
>空さん

こちらこそ、ご無沙汰しております。年頭の挨拶も出遅れまして…
今年もどうぞよろしくお願いします。
早速ですがメールお送りしましたのでお返事をお待ちしております。ちょっとドキドキしています…
Posted by えほんうるふ at 2006年01月16日 13:25
こんばんは
オフ会・・・未経験です。
時々参加とはえほんうるふさんスゴイです。

ところで私、佐々木マキさんってずっと女性だと思ってたんですよ〜
「変なお茶会」今度図書館でさがしてみよう。
Posted by lovebooklove at 2006年01月16日 22:25
オフ会。数年前に参加してました。チャット仲間のオフ会でしたが、めちゃくちゃオシャベリさんが、冷蔵庫のように座ったままお話しない方がいたのが印象的でした。
私も将来の夢は喫茶店をひらくこと。その為にもいま小銭を貯めてます。
皆様が思う、お茶会の場所に選んでもらえる喫茶店になるよう努力するっす!
Posted by すまいる at 2006年01月16日 23:58
>lovebookloveさん

オフ会は、最初は緊張するでしょうね(^^;)
私は初対面の人に会うのが平気な方なので、むしろわくわくしちゃうんですが…
そういえばブログ絡みでも既に去年「絵本おじさんとの二人オフ会」をやりましたねぇ(笑)

佐々木マキさんを女性だと思ってる人は多いですね。私も子どもの頃は何の疑問もなく「マキちゃん」だと思ってました。でも実像はダンディーなおじさまのようですよ♪
Posted by えほんうるふ at 2006年01月17日 23:40
>すまいるさん

そうそう、オンラインだと饒舌なのにオフでは無口な人っているのよね(笑)まあ人それぞれ得意なコミュニケーション法があるのでしょう…

すまいるのカフェってなんかいいなぁ。気持ちいい空間になりそう。飛行機で行ってお茶飲んで帰る。ってそれこそ「変なお茶会」を地で行く感じだわ(笑)将来のお楽しみにしとくよ。
Posted by えほんうるふ at 2006年01月17日 23:47
ブログにコメントを残して頂きありがとうございました^^

「オトナ読み」って、初めてきいたけれど、なんだかわかるような、共感できるかんじがします。
また他の記事も読ませて頂きます^^

私はとても声が小さいので、オフ会には一時期結構行っていたけど、いるかいないかわからない感じで参加してました(笑)
Posted by hadzuki at 2006年01月22日 18:57
>hadzukiさん

ようこそオトナノトモへ♪
オトナ読みってのは私が勝手にそう言ってるだけですが(^^;)コドモ様の読みの深さにはとてもかなわないので、せめてオトナなりにひねくれた、もとい、人生経験に基づいた解釈をしてしまおうという悪あがきの現れです。またどうぞお気軽にお越し下さい。
Posted by えほんうるふ at 2006年01月23日 00:00
えほんうるふさん、こんにちは。

いつもながら素敵な文章ですね。ほっとします。(なぜでしょう?)

迷路の教材のほうは少しだけ前進で、サンプルを大阪の塾向け教材展示会に出すことが出来ました。そこで何人かのブログ上の知り合いの方とお会いでき、オフ会らしきものができました。一方的な読者という方にもお会いして、冷や汗が出ました。

ところでコメント欄をまた開くことにいたしました。よろしければいつでも遊びにきてください。
それでは。
Posted by りんご at 2006年01月26日 14:45
>りんごさん

ほっとすると言っていただければ、こんな嬉しいことはありません。こちらこそ、いつもありがとうございます。

ところで、仕事も絡んだオフ会となるとまた微妙ですね。りんごさんのブログの常連さんというと、みなさん優秀な方のようですし、想像するだけで冷や汗が出そうです(T_T)
Posted by えほんうるふ at 2006年01月27日 22:36
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変なお茶会 佐々木マキ 1979 絵本館
Excerpt: 11月4日午後6時3分。 明日、トランスバールの岩山でココアが湧きます。 横浜
Weblog: 天然ココアの洪水で溺れた
Tracked: 2006-01-14 17:18